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World without End

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  • メーカー: Pan Books
  • JAN/ISBN: 9780330490702
  • 定価: ¥ 1,264
  • 売上ランキング: 13973 位
  • ★★★★★

カスタマーレビュー

壮大なイングランド版歴史小説
★★★★★2009-10-03
 舞台は14世紀のイングランド,英仏が百年戦争を戦い,十字軍の船が運んだ黒死病(ペスト)がヨーロッパに蔓延しわすか3,4年でヨーロッパの人口を半減させ,まだ魔女裁判が行われていた時代。ジャンヌ・ダルクが火刑に処せられたのもこの時代でした。
 そんな激動の時代を貴族,騎士,神父,尼僧,商人,職人,農民(農奴)といった各階層の人々はどう戦い,生きたのか。様々な階層の目を通して描いた迫力のあるドラマで読むのが楽しみになります。
 華やかな騎士道を追求し,戦争と権力争いを繰り広げる貴族,騎士。経済力と政治力をつけ,修道院の諮問機関にすぎなかったギルドを町の議決機関にしてしまったメンバーの商人,職人。そして黒死病によって働き手が減少した人手不足を逆手に自分たちに有利な「契約」を領主と結び農奴の立場から自由農民の地位を得ていく農民たち。
 それぞれの立場で懸命に生きる姿を読むうちに,描かれた中世社会に入り込んでしまったような錯覚さえ覚えます。歴史の専門書からは伝わらない人間ドラマが描かれています。
 原書で読むと1,200ページの長編です。中世が舞台なので時々なじみのない単語が出てきますが,先を読み進めていけば辞書なしでも理解できます。
日本語訳は「大聖堂―果てしなき世界」という題名で,(上中下刊がソフトバンク文庫から出版されています。
 実はこの“World without End” はその前に同じ作家が書いた“The Pillars of the Earth”(英文983 ページ)という小説の続編,というよりその登場人物たちの子孫たちの物語にあたります。こちらは12世紀当時のイングランドを“World without End”と同様に各階層から見る形式で描かれています。これも迫力と歴史考証に富んだ本ですが,残念ながら日本語訳は出版されていないようです。
壮大な人間模様
★★★★2009-09-22
漸くすべて読み終えました。全てが収まるところに収まって、メデタシめでたしと言うところです。悪い奴は全部死んだり、遠くに追いやられたりしてキングスブリッジの町に再び平和が訪れました。メインの登場人物たちは自分たちの夢をかなえ、その子供たちは自分のやりたい道(夢)を突き進み始めました。

お話はいろいろな要素が含まれていますが―――例えば、王家の陰謀、教会の腐敗、ペスト、階級差別あるいは男女差別―――ちょっと盛り込みすぎと言う感が。そのひとつずつで一冊の本が書けそうです。つまり、具だくさんで味が薄い感じ。

前作はハラハラドキドキで全編読み通しましたが今回は一人ひとりの生活がしっとりと語られているようでドキドキ感はあまりないです。でもこの1200ページ余の長さを途中で諦めることなく読み進めていけたのは、作者のストーリーテーリングの巧みさのお蔭なのでしょう。最後の方はもう「終わらないでくれ」と、このまま永久に話が続いてくれたらいいのにと。登場人物の一生をともに過ごし見とどけたいとの思いが。心地良い(いろいろ悲惨なことが起こるので心地良いと言ってはダメか)時間の流れにどっぷり浸かった数週間でした。
歴史大河小説の続編
★★★★★2009-05-11
 The Pillars of Earthから200年後のキングスビリッジで、子孫たちが繰り広げる20数年間のドラマ。落ちぶれたナイトの二人の子供、建築家の道を歩むマーチン、騎士への道を歩む弟のラルフ、裕福な商人の娘カリス、貧農の娘グウェンダの4人を中心とする人間模様や葛藤、協力と対立、生死を描いています。
 冒頭に子供の時の4人が偶然大変な経験をするところから始まりますが、本格的な展開は大人になってからです。基本的に善人と悪人との対立という形をとり、うまく事が運んでいると思えば次の障害が現れ、もどかしさを感じながら展開していきます。因果応報という感じで最終的には納得できる形でストーリーは終わります。
 宗教、建築等の見慣れない単語が出てきますが、基本的に文章が平易で、あまり気にせずに読み進むことができました。
 障害が同じパターンで出てくるような、「またか。」という感じがするところもありますが、前作を読んだ人なら、読んで損はない小説と思います。
 ところで、小説中に出てくるペストに対する瀉血という治療は、1600年前後のロンドンを舞台にしたShakespeare's Scribeという小説にも出てきます。そういった治療が何百年も行われていたとすれば、本当に暗黒時代だったんだなと思いますが、真偽の程はよく分かりません。
久々に時のたつのを忘れる本を読みました
★★★★★2009-03-11
ヒーロー&ヒロイン達は正義の味方、頭脳明晰な上、既存権力にも果敢に立ち向かう行動力、民衆を率いるカリスマ性あり、のスーパーマンとスーパーウーマンですが、二人が立ち向かう悪者も負けず劣らず、ひたすら邪悪で非道で残虐かつ悪巧みにたけ、日本の歴史小説の悪者達がかわいく思えます(ほんと国民性の違いを感じます)。悪も善もお互いちょっとやそっとでは負けませんので、次から次へとヒーローとヒロインには苦難が降り掛かり、きり抜けてやれやれと思ったらまた新たな落とし穴が・・・と読ませます。
ヒロインのCarisは自立心・自尊心が強く、自分の信念をかけた目標成就と愛する男性に服従して家庭を守る普通の女としての幸せとの間で揺れる姿が印象的です。多分ここら辺は現代の女性達にアピールするために書かれたものと推測。
また、中世ヨーロッパの都市で暮らす民衆、農民、聖職者や貴族などの暮らしもつぶさに描かれ興味深かったです。

私はアメリカのアマゾンサイトでの評判で購入を決めたのですが、
確かにあまりのページ数の多さに二の足を踏む方もいると思います。
でも、全く心配無用です。一度読み始めたら止まりません。
超大作で面白かったが前作と比較すると・・・
★★★★2009-02-20

Ken Follettの作品は大半を読んでおり、その中でもThe Pillars of the Earth(邦題:大聖堂)は抜きん出た最高傑作だと思っている。本作品はこの傑作の続編といえる位置付けにあり、大いなる期待をもって読んだ。

舞台は同じ英国のKingsbridgeという町だが時代は2世紀下った14世紀に設定されている。この町を舞台に前作と同様に人間の愛と憎しみと欲と夢が濃密に交じり合ったドラマが展開される。

1200頁という大作にふさわしく冒頭で登場する4名の子供達の35年に亘る運命の変転が描かれるが、それぞれの人生が半端でない浮き沈みを辿り、お互いに複雑に交錯して行くので最後まで面白く読むことができた。

但し、前作のThe Pillars of the Earthと比べると途中で若干だれる部分があったのも事実。その要因は、前作では主人公の一人一人に生涯をかけた理想や目的があり、それを成し遂げんと苦闘する姿に共感し感情移入することができたが、本作ではその骨格となる主題がやや弱く、人間の愛憎や愛欲に焦点が当たりすぎていたため、少し引いてしまう部分があったからだと思う。

読んで損のないすばらしい作品であり星5つに値するかも知れないが、前作と比べると星一つマイナスという評価だ。

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