反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

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  • メーカー: 岩波書店
  • JAN/ISBN: 9784004311249
  • 定価: ¥ 777
  • 売上ランキング: 453 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

貧困について違う考えを持てました。
★★★★2009-07-05
思った以上に勉強になった一冊でした。
自分も比較的どちらかと言うと、格差に対して、筆者の指摘通りの見方をしていたので、筆者の言いたいことが良く伝わりました。
自分は貧困は全てとは思っていませんでしたが、大半がフリーターや派遣労働を選択している自分たちの責任であり、それを救済すると言う意味が正直理解出来ませんでした。
少し前にあった、派遣の大量解雇。
本音を言うと、契約期間が早いか遅いかの違いで、数ヶ月後には別な職を探さなくてはいけない状況なのに、なにがそんなに問題なのか理解に苦しんでいました。
全てがそうとは思っていませんでしたが、働く意志もなく、計画もなく、今日をただ生きている人が自分で選択して現在の環境があると思っていました。しかしこの本を読むことにより、自分の考えが少し変わりました。
たしかに選択出来ない、努力ではどうしようも無い状況が多々あったり、貧困の連鎖からの脱出は容易ではなく、それに対して、社会はもう少し理解と援助が必要と理解しました。
自分自身を可視化すること
★★★★★2009-06-27
 貧困問題に鈍感であると反省して本書を読んだ。一気に読み終わり 今までの自分の不明を深く恥じることになった。

 自身として マーケットの中、競争原理の下で ここまでやってきている。その間に自分なりに努力してきた点は若干の自負があった。しかし そもそも「『努力して』くることが出来た環境にいた」という点が 自分として全く見えていなかった。「自分一人でやってきた」という自負に かなりの驕りと甘えがあった点を突きつけられたからだ。

 本書での著者の最大の目的は「貧困の可視化」にある。本書から見えてくる日本という国の危機的な状況がある。

 例えば 今回の経済危機の中で「内需拡大」という話があるとしたら その「消費者」そのものが 内側から崩れてきているということだ。気がついたら 国民のかなりの人が 「消費者」足ることができなりつつあるという事が 日本という国を どこに連れていくのか。そういう議論が もっと経済界からも起こってしかるべきだと思う。

 今まで自分でも 安易に「自己責任」という言葉を使ってきた。それは冒頭の自負にも寄るものがあったことが今分かる。本書で可視化されるべきは 貧困問題だけではない。今まで見えてこなかった「自分自身」ではないだろうか。
企業に雇用されたことのない著者の虚言
☆☆☆☆2009-06-21
湯浅氏の描く貧困者とは誰を言うのか?年末派遣村は氏の名を全国に知らしめた一大イベントであったが、あのときに村に集まった人数は400〜500名だったが、厚生労働省統計上、東京都で「派遣切り」(これも誤った使われ方をしており、派遣協会が報道各社に申し入れている…雇用期間満了に基づく雇い止めはまさに遵法であり、解雇ではないにもかかわらず、刺激的な言葉をわざわざ使う巧妙な手口だ)となっている人数は約100名。あとの人々は何だったのか?

そもそも、大学4年生のときに懸命に職を探し、その後、辛さを我慢し、自分を励ましつつ勤続した人々がようやく辿り着いた今の地位、賃金に対し、そのような努力をせずに年を重ねた人たちが、なぜ自分より賃金をもらうのだ!なぜ自分は契約制なのだ?おまえらと同じ賃金、地位を自分たちに保障せよ!などと主張する。これは理不尽と言うものだ。今に至るまでどれほどの努力をし、犠牲を払ってきたことか。バイパスから来た人々と同様に処遇されるなら、世の多くのまじめな人々には、大きな失望を与える。

人の不幸を願う訳ではない。努力に応じた正当な状態が今の生活、賃金なのだ。決して不当に獲得したものではない。

湯浅氏はなぜその当然のことを抜きにしてすべてのことが語れるのだろうか?氏はこの活動、またマスコミに取り上げられることにより、今後の自らの食い扶持を得ている。その意味では、貧困層を食い物にしていると言えないか?

大いに疑問の湧く著作である。
日本の社会の冷酷さ
★★★★★2009-05-25
日本の社会は弱者にとても冷たい。いったん派遣で働いてしまうと派遣という階層に固定されてしまう。社会正義を装って立場の弱い人を食い物にする貧困ビジネス、社会福祉の公務員が逆に貧困者の最後の望みを断ち切ってしまう実態などが記述されている。著者のいう家族、貯金、人間関係などの”溜め”の大切さに気づかされる。貧困は自己責任ではなく本人の無知と社会の無関心が原因なのだろう。派遣法の対象業務が広がったのは小渕内閣のころであるが、それと同時に労働分配率が下がっていく。労働分配率が下がり、派遣社員、契約社員、パートが増えれば、それまで幅広く購入された贅沢品が買えなくなるので百貨店が衰退し、長期ローンを組んで購入する住宅も売れなくなる。そうした経済社会の変化に日本の福祉行政は認識も対応も遅れているのではないだろうか。またABC分析などの管理会計の手法を導入して企業に効果の大きい人件費削減を勧めるコンサルタントが多数存在することも影響しているのだろう。人は自分の給料は少ないが他人の給料はもらいすぎと思うものなのだ。ここに書かれているホームレスの生活苦は特殊なことではなく、誰にでも起こりうる。削減された人件費の向こう側には人間が存在している、といことは忘れないでほしい。






「貧困は自己責任」と言う前に読む本
★★★★★2009-05-24
自立生活サポートセンター・もやい事務局長である著者が現場の視点
から「貧困問題」を報告する書。

現在の問題点は、雇用 / 社会保険 / 公的扶助という3つのセーフティ
ネットが機能せず、一度落ちたらひっかからずどん底まで落ちてしまう
「すべり台社会」であること。その原因は、溜め(お金や家族や友達)
が失われてきていることにあると説明されます。そして、溜めがない
状態の人々が貧困から抜け出せないのは、決して、自己責任ではない
と語ります。

著者は主張します。
「貧困は自己責任ではなく、社会と政治に対する問いかけである」
「貧困の特徴は見えないことであり、最大の敵は無関心である」
と。”自己責任”と考えていた自分がどんなに無知であったがを
思い知らされる本です。

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