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ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)

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  • メーカー: 岩波書店
  • JAN/ISBN: 9784005004416
  • 定価: ¥ 819
  • 売上ランキング: 18749 位
  • ★★★★

カスタマーレビュー

信仰が思想に与えた影響が分かる
★★★★★2009-09-23
思想と信仰の2つを切り口に、古代ギリシアから現代までの西洋史を一望できる。
内容が簡単ではないことは確かだが(特に現代に行くほど難解だ)、極めて論理的で分かりやすく書かれている。
重要なキーワードや、専門用語も文中で端的に説明されているから、哲学に疎い私のような者でも読破することができた。

哲学は難しいが、自分の信念や考えの幅を広げるのに有意義だと思う。
本書は思想のエッセンスが凝縮されているから、何度も読み返してみたくなる。
格調高い思想史の入門書
★★★★★2009-04-17
著者の岩田靖夫氏は、古代ギリシャ哲学とヨーロッパ実存哲学を中心とする翻訳、研究において膨大な業績を残してきた。2003年には文化功労賞を受賞している。本書はジュニア向けとはいえ、碩学のきたえぬかれた文章力と、テキストから本質をつかみだす洞察力によって、一流の啓蒙書に仕上げられている。

最近はどの学問分野でも研究対象がますます細分化していく傾向にあり、過去の長い歴史を俯瞰する通史的な試みは少なくなっているから、このように古代ギリシャから近現代までをカバーした思想史の本は貴重である。しかも、歴史の上澄みだけをすくいあげた類の、つまらない教科書とは大きくちがう。長い歴史を通して、人間の思考という種がいかにして大きな木に成長していったかを描く、格調高い物語であると言える。

著者は、まず最初に「ヨーロッパ思想の源流はギシリア哲学とヘブライ宗教にある」と喝破したうえで、その二大潮流にそれぞれ一章ずつを充てて解説し、最終章でそれらが近現代の思想にいかに影を落としたかを解説する。こうして俯瞰を見せられると、なるほどヨーロッパの思想は人間と世界の関係についての問い、そして人間と神の関係についての問いという二つの極をめぐって展開してきたということが、克明に理解できる。

哲学や宗教に少しでも興味をもっている人なら、本書から多くの教示を受けるはずである。
ちょっと難しい
★★★★★2008-03-25
岩波ジュニア新書は高校生向けの平易な内容の新書だそうですが、
これはどうみても大人向けです。
2003年以降の高校生には敷居が高いのでは…?
昔の高校生はこの程度の本は読めていたのでしょうか。

「カテゴリーとは、述語として語られる存在の様々な意味を言う」
↑こういう文が当たり前のように出てきます。
ギリシアの思想とヘブライの宗教の入門書としては良い本
★★★★2008-02-13
一番簡単な思想入門は高校の倫理の教科書だと思いますがそれと併読するのにちょうど良い感じです。古代ギリシアを専門になさっている方だけあって古代史の部分は随分わかりやすいです。構成が独特で、三部構成となっており、一部がギリシア思想、第二部がヘブライ信仰、第三部がその他。ページの量もほぼ1/3ずつなので、第三部は中世のアウグスティヌスから現代のレレヴィナスまでかなり駆け足で書かれてある印象を受けますが、その分、ジュニア新書にもかかわらず古代思想に関しては、けっこう突っ込んだ話題にも触れています。近代、現代の哲学者たちもギリシアやヘブライの思想家たちの学説をひきずっていたりするわけで、そういう意味でも特異な入門書として良い本だと思います。誤解を受けやすい哲学概念の一つであるイデアについての説明もアリストテレスの思想と比較することで、「徳の本質」「認識の成立根拠」「存在者の存在構造」という3つの視点を浮き彫りにしてわかりやすく解説しています。政治思想とのかかわりで哲学が語られることが多いので政治的な問題に興味のある高校生にも良いかも知れません。(ただし、日米関係といった具体的な話題ではなく自由や正義といった抽象的なレベルの話題ですが…)

問題点としては、ひとつは、せっかく西洋思想の源流であるギリシアやヘブライについてわかりやすく書いてあるのだから、それがデカルトなどの近代哲学にどう繋がるのかもう少し詳しくか書いてほしかった。入門書なので無理に薄くしようとしているようですが、英語圏で出版されている思想書は入門書こそぶあつく丁寧に書いてありますし、実際薄くてメモ的に書いてある本より、そっちの方が読みやすいと思うんですが…もうひとつの問題点は、ジュニア新書で出版するならば近代史のフランス革命の評価などは、いくつかの有力な説を併記するような配慮がほしかったです。ジュニア新書ということなので、高校生がこういう、良くも悪くも教科書的な本を目安にしながら、文庫化されている有名な古典を読み漁っていくのも悪くないと思います。
得るものはありますが、、、
★★★☆☆2007-10-18
ヨーロッパ思想がギリシャの思想とヘブライの信仰にあるということから始まります。この二つのテーマのために第一部・第二部とかなりのページが割かれていますが、内容的には実に教科書的でこじんまりとまとまってしまっているので、読んでいても面白くないです。これらの2大テーマに関しては他にいろいろと名著があるので、ここでは飛ばし読みでいいのではないでしょうか。

一方、第三部は、作者の個人的偏見も含めて、かなり良く書かれていると思います。デカルト・カント・ハイデカーなどのヨーロッパ現代思想を理解する上で不可避な哲学者達の思想をわかりやすい日本語で説明されています。書かれた内容への賛否はともかく、ヨーロッパ思想への取っ掛かりとしてはよいのではないでしょうか。

全体の評価としては、大変よくまとまっているとは思いますが、読み物としては面白くないです。やっぱり教科書ですね、これは。

ところで「ヨーロッパ思想」=「ヨーロッパ哲学」なのでしょうか?それでは、一般的なヨーロッパ人の言動に直接または間接的にリンクする思想・文化とは何なのでしょう?