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ひとを“嫌う”ということ (角川文庫)

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  • メーカー: 角川書店
  • JAN/ISBN: 9784043496020
  • 定価: ¥ 500
  • 売上ランキング: 29960 位
  • ★★★★

説明しよう!

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   誰かを嫌いになること、誰かから嫌われることは、つらく、不快で、いけないことだと考えがちである。著者はそんな「常識」に疑問を投げかけ、日常的に人を嫌いになるということは、好きになることと同様にごく自然であり、「嫌い」としっかりと向き合うことが人生を豊かにしてくれると説く。

   著者は、東大人文科学大学院、ウィーン大学哲学科を修了した哲学博士であり、ドイツ哲学、時間論、自我論が専攻の電気通信大学教授である。本書の土台となっているのは、著者自身が「これまでの長い人生において、むやみやたらに他人を嫌うことがあり」、妻と息子からは「ある日を境に激しく嫌われるハメに陥った」という切実な現実である。

   本書では、「嫌い」を引き起こす原因として、相手が自分の期待にこたえてくれないこと、嫉妬、軽蔑、無関心、生理的な拒絶など、8つを挙げて解説している。著者自身も書きながら「私が嫌っている膨大な人々の顔が眼の前にブンブン蝿のように登場し、その迫力に押しつぶされそう」だったと「あとがき」で述べているが、読む方も、自分が今までに嫌ってきた人、嫌われてしまった体験などを次々と思い出し、その原因に改めて納得したり、せっかく忘れていたのに今さらまた思い出してしまったことへの不快感にさいなまれるかもしれない。しかし、「嫌い、嫌われる」という苦しい関係は、一面では「自分を反省させてくれ、警告を与えてくれ、まことに有益」と指摘されると、確かにそうだと溜飲が下がる。自分が誰をも嫌わず、誰からも嫌われずには生きてはいないという事実に、少なからず罪悪感を抱いている人は、一読してみてはどうだろう。(加藤亜沙)

カスタマーレビュー

伝えていることが中途半端
★★☆☆☆2010-03-02
嫌いの原因をあれこれ論じてはいるが、結局のところ著者自身の誰彼かまわず人を嫌いになってしまうという性質を
うまい具合に正当化しているように感じる。
嫌いな感情は持って当たり前と謳っているのは良いが、だからそれで良いのだと完結するべきではない。
好き嫌いは相手が決めることであり、それは自分も然りである、そんな自然な感情を否定する必要はないが、
根本には相手を許す心や理解しようとする心、思いやる心が大切であることは言うまでもない。
嫌いを大切にしてゆきたいと最後に述べているが、嫌いを大切にするよりも相手への敬意を大切にする努力をするべきだろう。
それができないからこそ、相手から嫌われることが多くなっても仕方がないというのなら、それは傲慢以外の何物でもない。
著者は自分自身を納得させるために書いた本と述べているが、世に出したというとは少なくとも嫌いという感情に苦しんでいる人に
伝えたい思いがあるからであり、嫌いな感情は嫌いなままで良いで終わらせてしまってはもったいない。
「人を嫌うということ」をテーマにするのであれば、人が人を嫌う理由を追求するべきであり、
中途半端に「嫌いが人生を豊かにする」と言うべきではないと思う。
自分の中の嫌いや嫌われているという感情に苦しんでいる人には大きな気付きもあるとは思うが、
人生を豊かにするための一時的な対処法でしかないことは念頭に置いた方が良いかもしれない。
個人的発想かな
★★★☆☆2009-09-24
人を嫌いになる過程、嫌いになる理由など書かれていて、なるほどなるほどと頷くことも多かった。
自分も嫌いな人がいる。自分のことを嫌いな人がいて当然。これは大変頷ける箇所でした。
ここを理解してない人が多いですよね。
あとは作者個人の主観が強いかな(エッセイなので当然です)。
だんだんくどくなってきて、最後には疲れました。
でも「嫌い」に対してここまで掘り下げて書かれているものは少ないと思います。
「ひとを嫌うこと」分析
★★★★2009-03-21
「うるさい日本の私」では、「怒り」、この本では「嫌い」から目を逸らさずに生きることの大切さを教えていただいた。途中「嫌い」の分析は専門書を読むようで、読書生活リハビリ中の私には苦痛だった。その点で、この本は「嫌い」と言ってもいいですよね。でも、最初と最後の章は、「好き」です。今回も最後まで読んでよかったと思いました。正確に「嫌い」を分析し、人を嫌うこと。頭脳明晰な中島先生だから、なせる業のような気もします。正確に分析できない人は、メンタルクリニックへ行くしかないのかもしれません。ただ生き方として進むべき方向は明確でよくわかりましたし、人を嫌ってもいいとはっきり言われるだけで、肩の荷はずっと軽くなりました。
「嫌う」とは?
★★☆☆☆2009-01-21
まず気をつけていただきたいのは、この本が、「嫌い」の原因とその向き合い方について述べた本であって、「嫌い」とは何かを述べた本ではない、ということ。僕なりの「嫌い」観(筆者のものと結果的には似ているが、過程は全く違う)を持った上で後者を求め本を手にとった僕にとって、毎頁に「嫌」の文字が5回も10回も出て来るのに、筆者が「嫌い」をどう定義しているのかが分からず、最後までイライラしっぱなしでした。

また、論の進め方も事例がやたら多くかつ強引で、筆者の整理されていない心の中を、そのまま覗き込まされている(自己満足に付き合わされている)印象を受けました。説得力には欠けていると思います。(そこを自認しているようなのが、憎い)

ただ、読み返してみると、むしろ以上の2点は、日常的な「嫌い」に価値を見出す筆者の、意図的な構成上の工夫とも考えられました。つまり、読者が日常的な「嫌い」と向き合うことで自分なりの定義が出来るよう、配慮がなされているようなんです。そのためか、各箇所で、参考になる先人の考え方が多数引用されています。

長々と書きましたが、この本は、「嫌い」に悩んでいる人に一つの道を示してくれるのはもちろん、そうでなく既に「嫌い」に向き合っている人にも、様々な事例を通して自分の「嫌い」観を再確認するきっかけを与える、そんな一冊だと思います。 どちらのタイプの人でも、読んでいる間、読んだ後を問わず、甚だ不快になる可能性は多分にあるので、そこは覚悟してください。

最後に、勝手ながら、僕は筆者が「嫌い」になりました。(笑)
多くの人に読んで貰いたい。
★★★★★2008-12-21
嫌う行為の肯定本です。
何故ひとを嫌うのかの課程を詳しく書いています。またこの本のおかげで自分が何故嫌われたのかも気付くきっかけとなり良かったです。

嫌いになる理由8項目が書かれていましたが納得の内容でした。

高校時代友達グループでどーしても好きになれない友達がいて何故彼女を嫌なのか、モヤモヤ感がありました。
この本のおかげでモヤモヤが解けました。
嫌いになる理由の8項目中、4個も入っていました。

なんだそういう事かー、そりゃあ嫌いになるわと楽でした。

なんか嫌われたくないとかひとを嫌いになってばかりだと思う人は必ず読むべきだと思います。

また私はひとに好かれてばかり、友達多い!と豪語する方も読むべきでしょう。
案外他人は貴方の事どうでも良いって思ってるかも…。

色んな意味でハッとする本です。

本書にある通り「嫌いは豊かさの象徴」の表現には脱帽です。
貧乏な人はたとえ嫌いな食べ物が出てもお金が無いので文句が言えません。金持ちは…言えますよね。
それだけ贅沢な行為なんだと嫌う行為に誇が持てました。