甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ 高畠導宏の生涯 (講談社文庫)

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  • メーカー: 講談社
  • JAN/ISBN: 9784062762175
  • 定価: ¥ 680
  • 発売日: 2008-12-12
  • 売上ランキング: 40663 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

恐るべし、プロの世界
★★★★★2009-05-09
本書は、いまさら書くまでもなく、NHKドラマの原作とされている。
そのドラマは好きで全編を感動をもって観た。
本書は、もちろんその原作として輝きを持っているが、もう一つの側面、
プロ野球の世界の厳しさ、試合を見ていうるだけではうかがい知れない熾烈な世界を垣間見せてくれて、その点でも、好著だ。
往年の名選手の練習のすさまじさ、天才中の天才たちの中で繰り広げられる、データ野球。
筋肉の張りや、シャツのしわから、球種を読み、スコアラーからの分析から配球を予測する。
野球好きにはたまらない、情報戦の数々。
素晴らしき、ノンフィクションに拍手を送りたい。
素晴らしいコーチの生涯
★★★★2008-12-29
一人の高校教師が癌でなくなった。彼は生徒に夢を持てと勧め、そのために頑張るように励ましていた。その彼の夢は、野球部を率いて全国制覇をすることであった。だが、教師になって2年しないと顧問になることはできなかった。それは彼がプロ野球出身者であったからある。
彼はプロ野球で、のべ30人以上の打撃タイトルフォルダーを育てた伝説的なコーチ高畠導宏であった。
彼の人生は将に波乱万丈である。高校時代は甲子園にはいけず、社会人野球では入った部がすぐに休部になり、大学野球に転進して名をあげ、社会人野球でも活躍して、南海にドラフトで入り、しかし一年目に練習中の怪我で肩を痛めて、力を出せず、野村監督によって代打の切り札として活躍したが、肩の悪化で選手を断念した。しかし野村に才能を見出されて28歳の若さで打撃コートとなる。高畠氏はピッチャーの癖を見破ることに関しては天才的と言われていた。類まれな動体視力と、異常なくらいの研究熱心さの賜物であった。彼はこう言っている。
「意識してクセを消したことがない投手なら、直球とカーブの2球も投げれば、球種は全部読める」
彼を戦略的コーチと呼んだ人もいる。ある意味で戦国時代の軍師のような存在だと言うのである。クセを見抜くというようなことは野村監督から学んだのだが、やがて野村監督が高畠コーチに教えてもらうようになる。
苦労して教員免許をとり、プロの打撃コーチを辞して教員になり、もうすぐ野球部を率いるという時に、病は彼の夢を砕いた。3年で全国制覇という不可能に見えることも、彼なら可能であったかもしれない。彼はその日のために着々と準備していたのである。しかし、彼の最後の夢は叶わなかったが、彼の人生から学ぶことは多い。
人を教える立場の者から見ると、相手に柔軟に合わせて教える手法は素晴らしい。オリックスからメジャーへ行った田口選手の場合は、バットを投げる練習をさせて打撃のコツを教えたそうである。
他のスポーツにも通用する言葉はたくさんある。例えば、「高めのボールには手を出すなと、監督やコーチがいいますよね。でも、これは最も言ってはいけない言葉なんです。こういう言い方をすると、意識が逆にその高めにいってしまうからです。」
また、相手を伸ばしたいという熱情は、教育実習の短い期間で生徒達の心を掴んだ。この熱情も、見習わないといけない。
夢半ばで亡くなったが、彼の情熱はドラマや本書を通じて多くの人の心を動かした。彼は最後にコーチとして、何十万という人々を教えたと言えるかもしれない。
心にも、温かいメッセージとして残ることでしょう
★★★★★2008-12-19
 NHK総合で「フルスイング」と改題しドラマ化もされた話題の1冊。本書「甲子園への遺言」は、伝説の打撃コーチ高畠導宏さんの生涯を綴ったもの。高畠さんの人生はまさに「フルスイング」という言葉がぴったりとくる。35年間プロ野球界で、選手、コーチとして過ごし、何と、59歳にして高校教師になる。そして甲子園を目指す。

 プロ野球界では、落合、イチロー、小久保他現在監督、選手として大活躍し日本球界をひっぱっている面々を育ててきた。そして、どこのチームからも引っ張られる実力派。60を目の前にし、教員免許を通信で取り、教壇に立つ。本書では幼少期から晩年までが書かれるが、どの時代も全力勝負だ。

 始めての授業で、黒板に「気力」と書き、生徒たちにこういったそうだ。「君たちはこれからの人生でいろいろな困難にぶつかるだろう。でもどんなことがあっても気力で乗り越えてくれ、いいか、人生には気力が大事なんだよ。」いつもフルスイングで生きてきた高畠さんのこの言葉は、生徒たちの心に刻まれたことでしょう。そして本書を通じて生い立ちを読んだ読者の心にも、温かいメッセージとして残ることでしょう。私も本書からとても大切なメッセージを頂いたように思う。

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