幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))

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  • メーカー: 集英社
  • JAN/ISBN: 9784087461343
  • 定価: ¥ 1,000
  • 売上ランキング: 9489 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

著者の伝えたいこと
★★★★2009-06-28
 著者はこの小説で何を伝えたいのだろうか。この作品は、白夜行の続編であると言われている。同じパターンで物語が進行するのだ。美冬(主人公の女性)が言う。「昼間の道を歩こうと思たらあかんよ。あたしらは夜の道を行くしかない」しかし、彼女はそんな道を歩く必要性はない。この女性が裏の道を進む明確な理由がないのだ。そのため、この小説は説得力に欠ける。だが、この作品が白夜行の続きなら、すべて説明がつく。彼女が普通の人生を歩めないのも、過去をどんな手を使ってでも隠そうとする理由もはっきりする。それが正しいようだ。
 しかし、著者自身は、続編だと言ってはいない。そうでない場合のこの作品の解釈について考えてみた。なぜ「白夜行」と同じような構成であえてこの小説を書いたのか。白夜行は、子供時代にとんでもない経験をし、それに縛られ、引きずって生きざるを得ない男女の話だった。この「幻夜」では、阪神大震災が物語のスタートとなる。著者は、おそらくこの作品を通して震災のショックの大きさを描きたかったのではないか。震災による心の傷はあまりにも大きく、その当事者に裏の道を歩ませるほどだったと。だからこそ、白夜行と同じパターンでこの小説を書いたのだ。彼は作家だ。そして、作家にとって最もうまく自分の思いを表現できるのは、当たり前だがその作品である。関西人である著者にとって、あの震災のショックは大きすぎたのかもしれない。それを何とか自分の中で消化し、乗り越えるためにこの作品を書いたとも考えられる。また、この作品は美冬の表の面だけを見れば、震災をきっかけにしてチャンスをつかみ、成功していく一種のサクセス・ストーリーと言えなくもない。著者はそうやって被災者にエールを送りたかったのではないだろうか。震災をひとつの発奮材料としてもう一度がんばってほしいとのメッセージだとも受けとれる。
ヒロインがいまひとつ……
★★☆☆☆2009-06-16
『白夜行』の雪穂はどこか人としての気品のようなものがあって、生きることに対して悪かもしれないけれど、悪なりの凛とした態度に惹かれまくりました。が、『幻夜』は美冬は下品で、なにかいかにも育ちの悪い飢えた感じばかりが伝わってきて、読んでいるかぎりではあまり美人という感じもしませんでした。ヒロインに惹かれないから、冷めた気持ちで読んでしまいましたが、登場人物がどう考えても気づきそうなところで騙されたり、なんの工夫もないまま都合よく男性主人公に惹かれる女性がいたり、かなりご都合主義的なところがあり、それらすべてが、ラストへ向けての美冬の正体を早く読者に晒したいという焦りのようにも思えてしまって、今ひとつ、ストーリーにのめりこめませんでした。
ただ、男性主人公の雅也は人としての魅力があり、彼の働く町工場などの描写にもリアリティがあって、こちらはよかったです。どうして美冬に惹かれたのかは最初から最後まで、まったくわかりませんでしたが。惹かれてしまうって納得させるシーンじたいがないような……。
面白いが粗が目立つ
★★☆☆☆2009-06-15
面白い。
が、どうも粗が目立つ。
まず阪神大震災の描写が弱過ぎるから雅也が衝動的に叔父を殺す事に説得力が無い。
極普通の市民に殺人を犯させる程の異常事態とは思えない。だから美冬と雅也の出逢いがあまりにも唐突でご都合主義になり過ぎてる。
『白夜行』程ではないが、『幻夜』でも日本語の綻びが目立つ。
加藤刑事もマズい。捜査中の暴言やシャツを鷲掴んだりし、第十一章の最後でついに犯罪を犯す。フクタ工業に無断侵入し福田に暴行する。美冬の魔力に魅入られたためとは決して捉えられない。
警官に法を犯させる東野はプロの物書きか?担当編集者はなぜ書き直させなかったのか?

『白夜行』では亮司と雪穂の心理描写が無く、『幻夜』では美冬の心理描写は無いが雅也は描写される。第三章まで読むと雅也の役割と最後にどうなるか想像が付く。

致命的な欠点がありながらも間違いなく面白い駄作。だから『幻夜』に続く『白夜行』三部作目を読みたい。
クソつまらなかった。
☆☆☆☆2009-04-18
身内からこの本を借りて途中で読むのを挫折した者です。途中までしか読んでいませんが個人的にクソつまらなかったという印象しかありませんでした。いきなり話が変化したり、そうかと思えば話がだらだらと続いたり、登場人物が多すぎて疲れてしまいました。しかも恋愛系で自分の人生におけることや日々のことを書いた伝記のような感じなので個人的に嫌いで合わなかったです。自分自身ミステリが大好きなので同著者の「仮面山荘殺人事件」のような物語を期待していたのですが内容がそもそも異なるようで期待はずれでした。皆さんのレビューを見るかぎりホラーっぽい感じがあったのですね。あとそれから途中にある18禁のエロイ描写は全くいらないです。恋愛系だからかもしれないけどあれはおかしいです。子供の教育上よくない描写ですよ。あれは。この著者の方の作品を見るかぎり恋愛系、学園系・学校もの系、青春系、友情系のものが多いですね。
女は誰でも実冬になれる
★★★★2009-03-24
私自身、大学生の時に阪神大震災を経験。家が全壊するほどでないものの、あの時、喪失感と混乱と寒さと絶望、皆、明日どうやって生活するかで頭がいっぱいでした。レビューで美冬って怖いとか多いけど、美冬って人間は特殊な人間なのか?
という疑問に対し、女の自分からすると「誰しも美冬になる可能性がある」です。若い時は自分勝手な事を異性に対してした事も思い出し、女は聖女にも、悪女にもどちらにでもなってしまう悲しい生物で、何処までも自己愛の延長にしか愛を位置づける事ができないと思いました。
勿論自身が美冬までの悪女ではないけれど、ズルイ女を東野さんはよく描ける作家だと思いました。美冬の過去か、未来が描かれる作品は出ないのかな?

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