分身 (集英社文庫)

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  • メーカー: 集英社
  • JAN/ISBN: 9784087485196
  • 定価: ¥ 730
  • 売上ランキング: 10355 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

ややご都合主義的
★★★☆☆2009-06-21
せっかくの素材がミステリー仕掛けにしてしまい欲求不満。
一気に最後まで読ませる筆力はさすがだが、重要な鍵を握る記者が唐突に出てきたり、両親の心理がいまひとつだったりする。今の東野さんのレベルでリライトすればかなりのものになりそうなところが実にもったいない。
中位の出来です。
最高傑作!
★★★★★2009-06-17
東野圭吾氏の作品はどれも素晴らしく、次の展開が気になり気づいたときには一気に読んで
しまう程であるが、本作品も期待を裏切らない素晴らしい作品だと思う。

1990年当時の時代背景の中で「クローン人間」問題を取り上げたその才能にも敬意を評すが、
私が一番感銘を受けたのはこの物語を通して出てくる「母」という存在である。

鞠子の育て母はずっと鞠子が自分に似てないことを感じながらも母親として振る舞い、そして
実は自分の遺伝子とは関係ない子と知って一家心中を試みながらも最終的に鞠子の命を救う。

双葉の育て母はクローン実験として当初は中絶を予定されていたにも関わらず、いわば他人の子
である双葉を出産し母として双葉を育て上げた。

クローンという単なる医学的倫理問題のみが取り上げられますが、自分はこの2人の「母」から
感じ取れる「母性」というものの素晴らしさ、壮大さという隠れたテーマが非常に秀逸に描かれて
いたと思います。

そして最後の鞠子、双葉の初対面のシーンは燃え盛る実験場を背景としてラベンダー畑の中で
幻想的な出会いとして描かれ、「その後二人はどうなった」などという野暮ったい現実的なシーンを
排除した非常に綺麗なシーンで物語を終えているところにも東野氏の才能の高さを感じずには
いられない。

当作品は人によって感じ方は違うと思われるが少なくとも私には最高傑作として感じ取れました。
クローン技術の是非と個の人間の在りよう
★★★★2009-01-06
違う環境で育った二人の女性がクローン技術によって造られ、そして互いにあるきっかけをもとに自分たちの生い立ちを追うことになる。
クローン技術についての応用や道徳感についても軽妙に織り交ぜられており、近い将来の人類のあり方を考えさせられた。
同時に、人とは?とか、アイデンティティとは?など個人の生き様、表し方にも考えることがあった。
本来は星5つにしたいところだったが、この二人の女性が出会う過程があまりにも出来すぎていて、というかショートカットされている感があったところが星1つ評価を落とした。
作者の狙いがその過程のプロットに重きを置かれていないと考えれば、伝えたかったことが他にあったのかどうか知りたいところである。他の方のレビューも参考にさせてもらっています。
生命倫理
★★★★2008-12-23
本作は、1993年に単行本として出版されたものであり、
二人の若い女性の数奇な運命を、最先端の科学技術の話題を絡めつつ、
サスペンスも織り交ぜながら描くものです。
また、ラストシーンの美しさにも注目していただきたいところです。

本作には、上述したように、常に注目を集めている、
生命倫理を巡る話題が巧みに絡められています。
生命倫理といえば、知識人が抽象的にその是非を論じていますが、
本作では、登場人物の実感という形で、
科学技術の行き過ぎによって生ずる事態のグロテスクさを表現しており、
秀逸であると思いました。
鞠子と双葉の心理の移り変わりに引き込まれました
★★★★★2008-10-19
鞠子と双葉、それぞれ違う環境で育った二人が、それぞれ身の回りである事件が起き、それをきっかけに自らの生い立ちに疑問を持ちそれぞれが独自に調べ始めます。
「サスペンス」となっていますが、謎解きという点に関してはそれほどおもしろさがあるわけでもありません。
それよりも真相を知っていく過程での二人のそれぞれの心理の移り変わりに引き込まれ、最後まで読み進めました。
特に「双葉の章 その十一」は、あまりに悲しすぎて強烈に胸が締め付けられました。
そして「鞠子の章 その十四」も。
そのためラストは、そんな暗闇にさした1筋の光とも感じました。

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