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海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

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  • メーカー: 小学館
  • JAN/ISBN: 9784091670250
  • 定価: ¥ 530
  • ★★★★

カスタマーレビュー

鎌倉が舞台の家族の絆についての話
★★★★★2010-03-18
鎌倉を舞台とし、家族の絆を描いたコミック
家族の絆というより、血縁といった方が良いのかも

家族の絆は何かの拍子に途切れることもある。
しかし、血縁というものは切れない。

両親が離婚し、亡き祖母の家で共同生活をおくる3姉妹。
更に、15年前に家を出た父の死を契機に「腹ちがいの妹」も一緒に暮らすようになる。

鎌倉に引っ越してきた、その妹「すず」(中学生)は地元の男女混合のサッカーチームに入る。
そのチームの主将「裕也」はひざの骨にできた腫瘍の為、右脚を切断することになる。

複雑な家庭環境・右脚の切断など辛いエピソードがでてきますが、鎌倉の情緒溢れる雰囲気が暖かく包んでくれます。

「YASHA」の頃は絵がシャープでしたが、本作では少しタッチが柔和していて非常に良いです。

「ラヴァーズ・キス」とも少し繋がっています。


男がむせび泣きだぜ!
★★★★★2010-02-19
おう、オレだロッキーだ。

こいつはまいったぜ。
女の子達の日常の話だってえのに
その描写にどっぷりはまって
ヘビー級の身体のオレが堪えきれずにむせび泣いちまったぜ。

特に最初の話はいいぜ!
オレも言いたいことは上手く言えねえほうだからなぁ。
すずちゃんの気持ちは痛えほどわかるってもんだぜ。

そんなわけで
手に取るのは恥ずかしいかもしれねえが
大の男でも是非読んでみてくれ!
人間ドラマが素晴らしい。
★★★★★2009-08-06
吉田先生、お待ちしていました・・・・。前作2作がシビアで血なまぐさいドラマだったのに対し、このシリーズは鎌倉を舞台にしていて本当にほっとできる作品。しかし、ただほのぼのした内容ではない。他の女と不倫の上再婚して亡くなった父親、同じく娘達をおいて出て行って再婚した母親、腹違いの妹すずとの同居、長女シャチ姉の不倫(父親を許せないまま父親と同じことをしているという葛藤を抱きながら)・・・・。すずのサッカー仲間裕也の右脚切断・・・。人間ドラマがしっかりと展開されているからこそ、読み応えがある。それと、表紙のフルカラーは素晴らしい。いつか画集にして欲しいです。
なにもかもが渋い!
★★★★2009-08-04
鎌倉で暮らす三姉妹の元に父親の訃報が届く。母との離婚で長年音信不通だった父の葬儀に参列するために訪れた地では見知らぬ女性が「妻」と名乗り、財産を放棄するように三姉妹に告げる。その女性には二人の連れ子がおり、父の実子であるすずという少女と出会う。どうやらすずは父を看取ったらしい。居場所がなさそうなすずに三姉妹が鎌倉に来るようにと勧めるが…

長女・幸、しっかり者の看護婦。気の強さから「シャチ姉」と呼ばれている。
次女・佳乃、信金に勤めるうわばみ。酒に目がなく、男関係にだらしがない。
三女・千佳、学生?芸術家?マイペースな傍観者。

古家に住む、性格がまるで異なる三姉妹。時に仕切られ、喧嘩し、反目しあいながらも折り合いをつけて暮らしている。そこに中学生のすずが加わります。それぞれ勝手に生きていますが、お互いを尊重し、最低のルールを守って暮らしている。時にハプニングが生まれ、それを超えるたびに互いの理解を深めていく。

渋い。

その一言に尽きます。昔から熱烈なファン層を持つ作家ですが、自分は読んだり読まなかったり。合わない作品も多かったものですから。この作品はわかりやすく、なんたって姉妹の喧嘩が楽しい。年4回ぐらいの連載です。
プチフラワーは隔月、季刊月の作品が多いです。雑誌として作家に無理のかからない連載をすることで生き残ってきた知恵ではないかと思います。
円熟の域
★★★★★2009-06-19
50歳を過ぎ、マンガ家としてのキャリアも30年を超え、円熟の域に達した感のある吉田秋生の技の結晶。「行間」の深い、密度の濃い作品になっています。たった1冊、3編を読んだだけで大きな充足感を得られるのはそのためでしょう。「河よりも長くゆるやかに」のころのインタビューで、美大時代に先生から「バケツを描かせたら世界一」といわれたとありましたが、その頃から(ジーンズは抜群に巧いが、スカートはなんだかゴワゴワ、みたいな)絵柄は一貫してドライで、本作品ではそのドライな絵柄を他者には真似できない「語り」の武器として駆使しています。第1話の表題作「蝉時雨のやむ頃」の終盤での転調など、そこに至るまでのシークエンスを、突き放した視点で淡々と描き重ねたことで物語の効果が幾倍にも増しています。

「鎌倉」「四姉妹」という、幾多の名作を産み、すでに使い古された感のあるモチーフに敢えて挑戦し、しっかりと「吉田秋生の作品」になっているのも素晴らしいです。一時の激情ではなく、さまざまな変転の中でも変わることなく存在する人と人の絆、周囲を取り囲む「世の中」との折り合い、生きにくさといったものを描いて抜群です(登場人物たちはみんな、年齢や経験の割に老成しているようにみえるのは致し方なし、か)。

主人公たちの住む極楽寺の谷戸のように昔ながらの竹垣を維持した家々が軒を並べる路地(この規模で維持されている路地はもうほとんど無いと思いますが)、国道134号線の稲村ヶ崎あたりの舗道、鎌倉駅西口前の小さな広場など、何気ない背景にササッと今日の鎌倉がちゃんと描かれているのも楽しめました(車の通れない路地にも電柱はしっかり立って空を狭くしているところなども含めて)。