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日出る国の工場 (新潮文庫)

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  • メーカー: 新潮社
  • JAN/ISBN: 9784101001371
  • 定価: ¥ 700
  • 売上ランキング: 11988 位
  • ★★★★

カスタマーレビュー

村上春樹がなぜ、テレビの司会ができるのか
★★★★★2009-04-18
村上春樹が、なぜテレビの司会ができるのかがわかりました。

工場の現場を見れば、日本の本質に触れることができる。
工場の現場に対して、自分が何をすればよいかを考えればよいことが分かりました。

村上春樹がうらやましい。産業界のいろいろな有名人と話ができるなんて。
でも、テレビ番組では取材に行けないだろうから、その点はうらやましくないかも。
温かさ
★★★★2009-03-28
 1987年に出版された本だ。

 この中では やはり結婚式場の話が面白い。そもそも 結婚式場を「工場」と捉えた時点で面白さが確定したと言える。自分自身の経験でも 式場の担当者とのやりとりは確かにこのような雰囲気があったことは今でも覚えている。結婚式の内容を流れ作業で決めていく際の「こっけいさ」は 自分として感じていたわけだが 村上春樹に かようにはっきり書かれてしまったことで 再度笑ってしまった。

 その「流れ作業」加減を 「工場である」と見た 村上の慧眼ということなのだと思う。実際に 結婚式、結婚披露宴は人生においても それなりの重要度を感じる人が多いと思うが その成り立ちにおいては いい加減でもあり まさに「大量生産」されているものなのだろう。

 「工場」というものへの 村上の視線が ある。「象工場のハッピーエンド」という言葉もあったし 各種短編に 工場を扱う場面もいくつかあったと思う。
 読んでいる限り 村上が 「工場」を肯定的に見ているのか 否定的に見ているのかは なんとなくはっきりしない感がある。但し 言えることがあるとしたら 工場で働いている人への温かい視点というものは はっきりしている点だ。それが 本作全体に通じる 温かさにはなっている。
古くない、なおかつ残すべき作品
★★★★2008-06-15
静かな「工場見学ブーム」が到来してすでにけっこう経つが、この本はそれよりもずっとずっと前(20年前なのか!)に書かれている作品。このあたりの先進性(?)も、ハルキさんらしい気がしますが。

いまの工場見学が、「でっかい機械」とか「すっごい技術」に萌えてるのに比べて(ブームをざっくりと見た印象ですが)、この本では、その工場で働く「人」やそこにある「物語」に目を向けている。小説家が書く見学記ならでは、といった印象です。

消しゴム工場が出てきますが、いまでも変わらずご商売を続けられているのだろうか…。年月が積み重なれば、経済状況も変化する。その意味で、後世に残しておくべき文章だと思う。
CDはこれからも作り続けられるだろう
★★★★2007-01-21
 小説というと無から有を生み出すみたいなイメージがあるけど、工場見学体験記であれば私でも小学生でも書けます。見たこと聞いたことをそのまま書いて、それに感想とイラストを付け加えればいいんですからね・・・。
 やはり一番面白かったのは「経済動物としての牛」です。一頭一頭の牛たちの殺される年齢の基準は金しかないというからさっぱりしたものです。片や、高齢犬たちは人間同様、オムツをつけて生活しています。人間のために存在することは同じなのに扱いはずいぶん違います。
工場の工場性とはなにか?
★★★★2005-10-16
村上春樹氏がご存知、安西水丸氏と工場見学に行ってレポートをする。それだけといえばそれだけなのだけど、まあ、この二人のことだから、当然、行き先も人体標本工場とかアデランス工場なんてちょっと一筋縄じゃいかない感じになっています。村上氏には、物事を形而上的というか少し思想的に見る傾向があるような気がするのだけど、本書も例によって、「工場」の「工場性=工場の本質」を説く、「春樹流工場論」の様相を呈していて、ああ、やっぱりこの本はこの人にしか書けないだろうな、という気にさせます。特に、結婚式場を「工場」としてカテゴライズし取材した「工場としての結婚式場」の章は秀逸で、工場見学=社会科見学が一転、資本主義社会批判に昇華されるような凄みがあります。(そういえば、村上氏の小説でも、高度資本主義社会は結構槍玉に挙げられていますよね。)ただの工場紹介本で終わらず、各種工場がどのような象徴的悲しみを抱えているのか、そして、職人がどれほど職人的な仕事をしているのか、といった部分に深みがあって面白いと思います。ある種の本が読後、食欲を誘うように、この本を読み終わったとき、工場見学をしたくなりました。
そういう本って、なかなかないですよね。
え~と、つまり、そういう本なのです。

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