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草枕 (新潮文庫)

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  • メーカー: 新潮社
  • JAN/ISBN: 9784101010090
  • 定価: ¥ 420
  • 売上ランキング: 25188 位
  • ★★★★

カスタマーレビュー

良くも悪くも骨董趣味的な話だなァ、と思う。
★★★☆☆2009-12-28
漱石先生の語彙の豊かさ、見識の広さは痛いほど伝わってくるが、話としては恐ろしくタイクツである。
絵師を自称する三十路のオッサンがゆったりまったり動きながら思索に耽るだけの話である。
登場人物の会話以外の箇所の大部分は、詩的叙景文に随想を加えたような文章である。
物語のスパイスとして那美さんがいるものの、全体的なタイクツさを揺るがしてくれるほどの存在ではない。

この作品の存在意義については、あとがきを読めば十二分に腑に落ちるのであるが、
私にはどうしても、ほとんど動かない物体に対する骨董趣味的な視線が薄気味悪く思えてならなかった。

この作品を心から良いと思えるようになったら、その読み手が骨董趣味を解する齢になった、ということなのだろう。
十代、二十代で良さが分かってしまった読者は、早くから人生に疲労していることになるのであろう。
それくらいタイクツで脱俗的で骨董趣味的な小説だと感じた。
日本の美しさ
★★★★2009-08-18
小学生の頃に読んで,ちっともわからなかったが,ようやく少し理解できる年齢になったのかも。しかしこの小説が100年以上にもわたって読み続けられる理由は正直まだわからない。

日本の風景の美しさが文体の美しさを通して滲みだすと言えばよいのだろうか。
太宰治の「津軽」には,日本人と日本の自然の暖かい美しさが描かれていたが,「草枕」の美しさはそれこそ絵に描いたような乾いた美しさだ。
tao
★★★★★2009-05-03
物語の軸に常に老荘の思想があります
これを読んだ後私はこの本のよさを
人に説明することができませんでした
ですがこれは嫌いだからじゃなくて
やはり無為自然といったことをテーマにしておりますので
そのよさを理論付けして説明する必要が無いのでしょう
三〇ページにわたる注は気分がなえますが
諦めないで下さい
そこが鍵です

峠の茶屋
★★★★2009-04-24
 この小説の出だしは有名であるが、手にとる機会がなかった。今回本書を読んでみると漱石の和漢の素養が改めて知らされる。幕末・明治時代は東洋(和漢)の知識を持った人間が、西洋(英、独、仏等)の知識を吸収、積み上げたのだろう。双方にまたがった教養ではかえって現代よりも知性が高いように思える。だから、漱石は読み継がれているのだろう
 主人公と那美との会話は洒落ていて、含蓄が深い。最終章は戦争にも言及している。「こころ」とは趣きが違うが、漱石の文章作法等の変化を知ることが出来ると思う。
近代に対する呪詛がみてとれる
★★★★★2007-07-29
有名な冒頭の文章は殆どの人が暗唱できるほど知られたものと思う。しかし、「草枕」はそれほど長くないにもかかわらず、最後まで読んだ人は少ないのではないか? 恥ずかしながら還暦をとっくに過ぎた小生もその一人である。「非人情」の世界の小説、俗界を離れた仙人のような生活を賛美した小説かと思い込んでいたら、どうもそうではないようである。
そしてこの小説に表れた漱石の漢籍や江戸趣味に対する素養、それに専門の英文学に対する薀蓄は大変なものである。注を参照しないと解らないことも多い。しかし、この小説が素養や薀蓄をひけらかすのが目的でないことは次第に解る。

草枕については、多く評論家、そして本カスタマーレビュアーの評価・解釈があるが、一点だけ私見を述べてみたい。即ち漱石の「西欧を規範とした近代化に対する呪詛」である。それはこの小説の最後に表れる主人公の独白に明瞭である。もう一度、読み直してみて欲しい。

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