蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

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  • メーカー: 新潮社
  • JAN/ISBN: 9784101084015
  • 定価: ¥ 420
  • 売上ランキング: 4287 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

プロレタリア最高峰?
★★★★2009-06-29
他の方のレビューにもあるプロレタリア文学最高峰といわれてもぴんと来なかった。
正直読み始めは「しまった、来てはいけない世界に入ってきたかな」と思った。
しかし読み進める内に面白くなってきた。

前近代的な財閥と監督層と被支配者という関係の中で成立しているオホーツク海に蟹を捕りに行き缶詰にするという仕事を生業としている「蟹工船」の乗員達の生活を延々と語っているだけなのだが、こと蟹工船に留まらず炭坑従事者、北海道開拓者なども同様に国に騙されて資本家に最初から搾取される前提で働かされ蚤やトイレットペーパー一枚より軽い命として扱われているということを訴えかけている。
確かにソ連(あえてロシアではなく)賛美、共産政治賛美、労働者組織万歳といった部分がなくはないが、それはあくまでも付随事項であって本書の評価される部分とは異なると感じる。

富裕について圧倒的少数の上と圧倒的多数の下しかなく中間が居ないという構造は今のアメリカ、中国、ロシアだけでなくシンガポールや日本でさえも仲間入りして80年前に帰りつつある。
政治が廃れ戦争へ向かう悪い兆候が見え隠れする。
景気が悪いと政治家は戦争をしたがる。
日本でも自衛隊法改正で自衛隊は正式に軍隊となった。

タイムリーに世界の危機を謳う本書が映画化される。
どのようなアレンジとどのようなカットをされるのか不明だが本書が表す危険とその後に起こりうる危険を映画でも訴えて頂きたい。
プロテタリア文学の代表作。
★★★☆☆2009-05-26
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大正時代のプロレタリア文学をそのまま表した作品。

雇用する側とされる側。搾取する側とされる側。
現在問題となっている、格差問題を蟹工船という舞台で表現しています。
書き手が搾取側・搾取される側とは別の第三者の視点で描いてるので
話を楽しむというよりは、ひたすらプロレテタリアを感じる作品になっています。

最終的に搾取する側(資本家)が守られ勝つという結末に、国が守るのは誰なのかが感じられる作品ですもあります。
蟹工船 - ずっと読んでませんでした。
★★★☆☆2009-05-09
過酷な労働をしいられる蟹工船での、労働者達の戦いの物語。
思想的には思い切り偏った内容なので、気をつけてください。文学としては、海上の潮にまみれた生活が感じられて、おもしろく読めました。
帝国主義と労働者
★★★★★2009-04-26
「蟹工船」の中の過酷な労働・非効率性・非衛生的な労働環境の中、監督は漁夫・雑夫達を厳しく働かせるが、やむにやまれず労働者がサボタージュやストライキをしていく過程をいきいきとするどい描写で書き綴られていて、読んでいて圧倒される。会社は会社の命を受け忠実に業務を遂行していた監督を、ストライキを惹き起こした責任をとらせる処分として首を切り、監督は会社に裏切られたという忸怩たる思いをしなければならかった、これは現在でもかわっていないと思います。「党生活者」は、地下生活者として活動し続ける著者の命がけの闘争の記録で、帝国主義日本で何か発言したり主張しようとする人間が、なぜ地下生活をしなければならないのか、考えさせられました。現在は表現の自由はあるものの、会社の論理に個人生活は組み込まれ、人間的生活ができない状況はかわらないと思います。筆者の時代の記録を参考に、現在を生きる私たちはこれから何もすべきなのか、自分に問うべきだと思います。
プロパガンダ映画
★★★★2009-04-24
蟹工船は小林多喜二の代表作とされ、搾取の構造を蟹工船というフレーム内に端的に捉え、鋭く問題提起した点、歴史的作品といえる。一方で共産圏のプロパガンダ映画を見ているようで、登場人物には個性の彩がなく、ただマルクスの受け売りをしているように見える。文章も粗削りで、東北弁に通じない者には分かりにくい。

 その点、「党生活者」は、文学の域に達したように感じた。彼の筆致を通じて活動家たちの、投獄の危険と隣合せの緊張感が伝わり、ただ賛美するのでなく、人間的なところも描こうとしている。この作品は彼の遺作となったが、後編を活動面と人間面でどのように展開させていくつもりだったのだろうか。

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