ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8 (新潮文庫)

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  • メーカー: 新潮社
  • JAN/ISBN: 9784101181585
  • 定価: ¥ 420
  • 売上ランキング: 14054 位
  • ★★★★★

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カスタマーレビュー

虚栄が悪いわけでもなく、野心が悪いわけでもない。
★★★★2009-04-10
ユリウス・カエサルの幼年期〜青年後期までを描いた上巻。
(誕生〜39歳まで。)
紀元前100年〜紀元前61年までの出来事。

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カエサルの話だけで。
8巻〜13巻までが占められるローマ人の物語。
余程作者が好きなのか、
はたまた好き嫌い云々の前に書く事が沢山あるのか、
ということになる。

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『37歳にして起ちはじめる』とあるように遅咲きの英雄。
遅咲きなだけに上巻では特出した活躍は無し。

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『野心とは、何かをなしとげたいと思う意志であり、
 虚栄とは、人々からよく思われたいという願望である。』

素晴らしい説明。
けれど、両方とも一長一短ある。
虚栄が悪いわけでもなく、野心が悪いわけでもない。

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『カエサルと女』

『カエサルと金』

という章があり、そのまま過ぎておもしろい。

『重ねて言うが、女が何よりも傷つくのは、
 男に無下にされた場合である。』
という塩野さんの意見も面白い。

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イタリアの普通高校で使われている、歴史の教科書の抜粋。

『指導者に求められる資質は、次の五つである。
 知性。説得力。肉体上の耐久力、自己制御の能力、持続する意思。
 カエサルだけが、このすべてを持っていた。』

カエサル『だけ』がというところが、すごい。
かれこれ2000年以上も前の話である。
英雄譚
★★★★★2008-11-23
 カエサルの活躍に心踊り、カエサルの演説に震え、カエサルの死より始まる「無用の悲劇」に涙せよ。

 塩野女史曰く、ユリウス・カエサルの時代の描写が生き生きしているのは、生き生きとした情報を残してくれたキケロとカエサルのおかげであるとのこと。確かにカエサルの著の『ガリア戦記』は後世による推測の余地がないといっていいほど、臨場感と快活さをもった名著でした。
 それでも共和制ローマ派のキケロと帝政ローマ派のカエサルを通して、時代の趨勢を相互補完的に書かれている塩野女史の力量もすごいものと思います。
 まあ、なにはともあれ読んでカエサルに惚れちゃってください。
カエサルからみたローマ
★★★★★2008-06-01
文庫版第8巻、ようやく誰もが知るシーザー/カエサルの登場である。「ルビコン以前」のさらに上巻であるということで、
本作ではカエサルの少年時代から40歳前くらいまでを取り上げて語っていく。
マリウスとスッラの対立、両者の反対派粛清など、以前に読んだ話があるなと思ったら、この本では、
既に述べた歴史をあらためてカエサルの視点から記述しているとのことであった。そういうわけで、
以前の本で取り扱った歴史を復習しながら、カエサルの生い立ちを、周囲の社会環境を十分に考えながら追うことが出来る。
名門の出ながら権勢をふるう家ではなかったため、しっかりした母の下比較的つつましく生きながら成長するが、
マリウスの甥でキンナの娘を妻にしていたためにスッラに消されかかり、スッラの命令に背いたために国外逃亡し・・・
カエサルは、時代の流れのせいもあってなかなか出世街道に乗れない。歴史の表舞台に登場してこない時代の彼が、
一体どのような人生を送っていたのかが、まるで見てきたように生き生きと描写されている。
また、信じがたい額の借金を重ねた理由(そもそもそれだけ借りられたわけ、何に使ったのか)や、
カエサルが女性にもてまくってしかも恨みを買わなかった理由まで推察されていておもしろく読める。
時代の流れや空気をうまく読みながらも、自分の思うところは貫くカエサルの生き様が印象的である。
のちにカエサル批判をその著作ににじませることになる執政官キケロも登場する。
魅力的な男カエサルの物語
★★★★★2008-02-24
ローマ人の物語もいよいよカエサルが主人公として登場します。
塩野氏は「絶望的な状態にあっても機嫌の良さを失わなかったこと」をカエサルの特徴と論じますが、彼の幼年期から執政官としてローマの実権を握るまでの約40年間をカバーする本巻では、まさに指摘のとおりのカエサルの奔放なキャラクターがいきいきと描かれます。
その人生は、伯父が粛正され自らも処刑されかけた幼年期に始まり、30歳時点ではダンディな生活ぶりと莫大な借金のほうで有名だったほど晩成型。ところが、ようやく40歳にして「起つ」と、とたんにローマが彼を中心にまわり始めるという珍しい男。
本巻後半には、どの歴史家でも解けない謎、「金」と「女」に言及。なぜあれほどモテたのか、なぜあれほど借金をしたのか、について、塩野氏なりの結論を述べています。
本巻での塩野氏の文章は、これまでのローマ人の物語とは明らかに違う印象を受けました。まるで好きな男の子のことを女友達に話すようなうきうきした感じがにじみ出ており、きっと彼女もカエサルに惚れてしまった一人なんだろうなぁと感じました。
カエサルの今後の人生がどうなるのか、期待を抱かせる1冊です。
カエサルの青年期まで
★★★★★2008-01-30
 この巻ではカエサルの誕生から青年期までが描かれる。したがって、時間的には第7巻で扱われたマリウスとスッラの時代と重複する部分もある。けれども、第7巻は時代を動かしていたマリウスとスッラの側に焦点を当てていたのに対し、この巻ではカエサルが主役になるので内容的には重ならない。

 読後の感想としては、次の3つが印象に残った。

 第一は、著者の塩野さんの物語の運び方が巧みなことである。カエサルの幼少期のことなどは不明なことも多く、その時期に焦点を当てて物語を進めることは大変だったと思う。しかし、著者は、カエサルの生まれた地区の特徴であったり、ローマ貴族における子弟教育のあり方、ローマの住宅の特徴など、他の書物では全く触れられないか、触れられてもぞんざいに扱われてしまうような事柄を丁寧に検証することで、カエサルがどのように育ったのかについての著者なりの推測を巧みに進めている。

 第二に、カエサルの人物像がとても活き活きと描かれていることである。「カエサルと女」「カエサルとお金」などは、まるで同時代の新聞記者による「カエサル特集」の記事の一部であるかのように分析に富んでいて面白かった。ここで扱われている内容が2千年以上も前の歴史的人物に関することであるとは思えないくらいだった。カエサルという人物の魅力にも依存するのだと思う。

 第三は、カエサルの知性の明晰さである。塩野さんが引用してくれたカエサルの演説の巧みさは筆舌に尽くしがたいものがあった。

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