たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)

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  • メーカー: 早川書房
  • JAN/ISBN: 9784150107390
  • 定価: ¥ 819
  • 売上ランキング: 7633 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

冴えてる・・・のか?
☆☆☆☆2009-03-06
手に取る人を選ぶ、かわいらしい?この表紙。思い切って読んでみてから、まさに読者を選ぶ内容だからこそのカバーイラストなんだ、ということがわかりました。
一作目しか読んでいないうえでの感想ですが、タイトル作の主人公は昔のコバルト文庫を思い出すキャラで、読む人によってはハードルがそうとう高め・・・。
少女らしいというか、ガキっぽいモノローグ・・・、「も!消えちゃってよ」とか、「ぎゃは」とか、しゃべり方が古くさいのはしかたないとしても、イラッとするのは私だけ?
このポジティブ元気少女にいくらかなりとも共感できれば、そりゃあラストに感動もするのでしょうが、キャラがダメだともう全部ダメ。そういう意味では正しいキャラクター小説なのかもしれません。

ノリに乗れないままだと、売りである「友情」も、エイリアンが親友というよりけなげなペットのように思えてきて、なんかひっかかります。この地球外生命体に、あなたはそれで本当にいいのか、と問いたくなります。
だいたい、変わった生き物でもいい奴はいるんだ!っていうの、ちょっと無邪気すぎない? そういう前向きで単純な考え方も必要だけど、未知とか異端とのお付き合いという問題を徹底して問題にしない話は、今どきいい大人が素直に読んだらやりきれないです。徹底しすぎて、夢物語と読むこともできませんでした。
子供同士が努力を必要とせずに友達になるようにしてしか、宇宙人と友好的な間柄になれないのだ――という、逆説的な?メッセージは得たような気がしますが。

そして、美しいイメージで終わるラストですが、主人公の選んだのはそんなに「たったひとつの冴えたやりかた」なのかどうか。驚きもないし、もはや人間らしくもないし・・・。
表紙と、自分が何を求めてこの本を読むか、の相性をよく見極めて読めば、「冴えてる!」と思える読後感が待っているのかもしれません。
センチメンタルジャーニー
★★☆☆☆2008-12-20
遥か未来の宇宙の図書館で異星人たちが人間=ヒューマンの心理を分析するといった形を取っている。1話目はヒューマンの少女の冒険心と男、女、両性とも判別出来ない寄生エイリアンへの友情と同胞への愛と献身を描き、2話目はクローンを生み出した女性の美と老いがテーマでもあり、男性の初恋の女性への想い、裏返しの女性から見た男性像の願望という部分も描かれる。3話目の平和主義と侵略主義のヒューマンの連邦、そこに異生命体であるジーロの連邦が配置される作りは、人間の内面を分離して描いていると取れるし、ジーロは眼に見えない人間の裏の姿を表裏一体として描いている様に見える。精神感応で先祖帰りを起こす様に両者共に重なった幻覚を起こす事からも分かる。ジーロの性が3形態になっていて中間形態が理想的な乳母の役割でしかないというのは、作者の何らかの実生活上のトラウマから紡ぎだされている様に感じる。肉体的な意味でも精神的な意味でも、女性の描く性小説、願望小説とその裏返しにしか見えない。第一話の寄生タイプの異星人=異性との交流は少女の冒険の裏返しであるセックスの寓意。第二話のイリエラが自分の孫クローンとの老いた姿と若い姿の対比とかつて愛した男がどちらを選ぶかという事への不安と願望も女性心理を反映している。もう一つ気になるのは「捨て身」の行動です。常に「逃避」と「回避」しか描かれていない。「遭遇」を描いているのに結局は分かち合えない。「偶然」まかせであり「自己解放」するだけである。反対の大胆な行動は幼年期の希望に見える。私には本作が自身の精神を分裂させて、男であれ女であれ主人公達に自らのトラウマを投影させた無意識的な告白小説に見えて仕方が無い。
「少女のせつなく、悲壮な決断」という記録
★★★★★2008-11-01
◆「たったひとつの冴えたやりかた」

  誕生日に両親から小型宇宙船をもらった十六歳の少女コーティ。
  彼女は宇宙船を遠距離用に改造し、冒険の旅に出かける。

  その途上、彼女は寄生体のエイリアンであるシロベーンと出逢った。

  自分の脳に寄生したシロベーンに対し、物怖じせず、友好を深めていくコーティ。
  しかし、シロベーンの恐るべき生態が発覚したことで、彼女は究極の決断を迫られる……。



  作品のなかで、コーティの物語は図書館に収められた記録という位置づけ。

  それを借りて読むエイリアンの挿話がその前後に
  配され、一種の枠物語的構成が採られています。

  また、コーティの物語の後半は、事後に入手されたコーティのメッセージ・パイプを
  大人たちが聞くという形式になっており、二重の意味で現実から隔てられています。


  そのような作品構造が、「感動的な美談」に対し、
  相対化・客観化の視点をもたらしているといえます。
読み方を間違ってしまいました。
★★★☆☆2008-10-24
一晩で読了。切ない、魅力あるお話でした。
これで3つの話がもっとリンクする形だと更に嬉しかったのですが…。
「第一話で主人公がとった行動が、第二話目以降の展開に思わぬ関与をする」とか
「“偶然”生じたと描かれていた事態が、以降の話で“実は他方の主人公の行動による必然だった”と明かされる」、
とか…そんな伏線や仕掛けを期待してしまったのです。
そうではなく、純粋に筋だてに感動しなければいけなかったのですね。
勝手に勘違いしてしまいました。
純粋で冴えた愛情
★★★★★2008-01-10
まず邦題がいいですね。
SF好きなら共感すると思うのですが、ぐちゃぐちゃにならずに明確に愛する友達のことを考え、愛するたくさんの人々を考え、冴えたままたったひとつのやり方に突っ込んでいく。
一見非情なようで、最も純粋な愛情を感じます。それ故に感動できました。

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