虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)

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  • メーカー: 早川書房
  • JAN/ISBN: 9784150116347
  • 定価: ¥ 924
  • 売上ランキング: 17994 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

中高生くらいにおすすめ
★★★★2009-06-25
後書きにもあるように、やはり「岩窟王」が構想の下地にあったようで、僕もそれを思い浮かべました。確かにSFなんですが、ファンタジー小説や抒情詩のように幻想的かつダイナミックな表現が非常に魅力的です。論理的な「空想科学小説」としてのSF好きには好まれないかも知れませんが、「サーガ」と表現するのがぴったりなのかも知れません。主人公ももちろん、それを取り巻く女性たちの躍動的な姿が目に浮かぶよう。50年も前の小説とは思えないほど、今も活き活きとしています。大人よりも中高生くらいのほうが素直に楽しめるかも。

惜しむべくは、恐らく日本語に訳すことによって、本来の迫力の大部分が失われているのだろうなぁと思われること。原文を読むだけの英語力が欲しいです。

しかし、SFやファンタジーが好きな人にはお奨めできる、傑作だと思います。
読んでほしいが、読んでほしくなかったり
★★★★★2009-02-19
ワイドスクリーン・バロックの傑作です。
これでもか、と投入されるアイデアの嵐。
高校の時に読んで以来、何度読んだかわかりませんが、
何度読んでも楽しんでいます。

日本のコミックやアニメにも多大な影響を与えた作品です。
サイボーグ009、仮面ライダー、銃夢、カールビンソン、などなど。
読んでない人は早く読んでください。
でもこの面白さは独り占めしたくもあり、読んでほしくなかったり。
SFって面白いなという感慨が味わえる
★★★★★2008-12-09
 クラークの「幼年期の終わり」やスタージョン「人間以上」を押しのけてヒューゴー賞を受賞したという、非常に評価の高い作品だ。
 ジョウントという空間移動手段が日常となった時代に、復讐に燃える異形の主人公が地球と宇宙を舞台に活躍する。超能力を基本とした仕掛けがチープに陥りそうなところを、テンポの良い展開と登場人物のキャラクターでうまく切り抜けているように思える。寺沢武一「コブラ」などの作品を読むときに感じるのと同じ、小さい頃に思っていた「ひとりの超人的なヒーローが宇宙を舞台に活躍するフィクション」がここにある。
 科学的合理性、深遠なテーマやメッセージを備えた作品ももちろん面白いのだが、その入り口にあったのは必ずこうしたワクワク読める作品だったと思う。SFって面白いなぁ、と感じさせる。そんなところが高い評価を得ているのではないだろうか。
 復讐心が自己回帰していくエンディングも素敵だ。そういえば小学生の時に、この作品のモチーフとなった「厳窟王」を夢中で読んだものだった。

そんなに面白いかなぁ
☆☆☆☆2008-11-15
うーん、以前から薦められていたんで読んだんだけど。

前評判が高すぎた事と、「当時」今からずいぶん過去の作品という事を考慮しても、そんなにすごい面白いとは思えないんだけど…。
むしろ…ごめん、あんまり面白くないんだけど。
ラストがどうの…という好みの問題では無くて、単に読んでてのめり込めない。

設定のSFっぽさも中途半端だし、何よりも登場人物の心の動きが唐突過ぎて共感も理解もしづらい。
心の動きというのは唐突だったとしても、そうなる理由というのは小説ならば書かれなければストーリーとして成り立たないと思うが、この話ではその部分は大抵、放棄されている。

「SF版厳窟王」と言われているが…デュマの描いた厳窟王の緻密な描写や、人物の感情の書き込み、風刺ユーモア、エンターティメント性、などとはかけ離れているし、結局はストーリーも、その話の中に流れる意図も全く違う。

好みもあるから…と、思ったのだが、あまりにも高評価過ぎるので、これから読もうか迷っている人には、一応こんな感想もあるよと伝えたいと思って書きました。
これが、SFだ!
★★★★★2008-10-23
 ベスターの長編第2作。歴代SFベスト5入りの常連として有名な名作で、よく言われる評が、「10年に1度の傑作」。
 30数年前、初めて読んだSF「宇宙船ビーグル号」で、世の中にこんな面白い種類の小説があるのか、とSFにのめりこんだが、なかでも「虎よ、虎よ!」の衝撃は特に忘れがたい。
 読了の瞬間、自分のいる場所がわからなくなった、と言っても信じてもらえるだろうか。ストーリーもほとんど憶えていないが、これが「世にも珍しい、再読を許さない傑作」であるとわきまえているので1度しか読んでいない。むしろ設定やストーリーといった、小説としてのパーツやテーマなどを分析しだすとアラばかり目につくだろうこともよくわかる。
 小説として読むなら、この前作にして作者の初めての長編SFである「分解された男」が断然お勧めである。わかりやすいし、実にエネルギッシュな傑作。これ1冊でもSFの歴史に名を残すと思われるのに、ベスターはさらに先に進んで、第2長編で不朽の名声を手に入れることになった。ただし、満々たる自信でもって発表されたこの作は発表当時、激しい毀誉褒貶(最高!と、最低!)にさらされ、現在の評価が定着するまで10年以上かかっている。
 最高のSF作家としてはベスターの名は挙がらないと思う。ベスト10には入れても、レムやディックといったノーベル賞級の作家と同列とはいかないだろう。しかし単独作品としての「虎よ、虎よ!」は、すべてのSF作品を抑え世界最高・唯一無二といえる。
 ちなみに、「虎よ、虎よ!」を「アメリカSF唯一の傑作」とたたえるSF作家サミュエル・R・ディレーニイの「バベル17」をご存知だろうか。これは舞台が「虎よ、虎よ!」、ストーリー展開が「分解された男」というベスター・リスペクトの最高の1作である。

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