宇宙飛行士ピルクス物語(上) (ハヤカワ文庫SF)

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  • メーカー: 早川書房
  • JAN/ISBN: 9784150116804
  • 定価: ¥ 882
  • 売上ランキング: 12460 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

訳が下手
★★★★2009-03-05
レオニード流星→獅子座流星群
太陽の嵐→太陽風
では?訳者はもう少し専門用語を勉強した方がいいと思う。
すばらしい作品です。
★★★★★2009-02-15
昭和55年12月15日の初版本を持っています。当時読んだ時の新鮮な感動は、以後、何度読んでも衰えません。
私は、この本からレムの「誠実さに対する信頼」を強く感じます。人工知能や機械が人間と敵対しているという文脈ではなく、人間でも人工知能を持つ機械でも、レムは誠実な者に信頼を置くということを書いていると思っています。
ピルクスを助けるセタウル、ピルクスを陥れようとするカルダー。
レムは人工知能の力と完全さにうち勝つ人間の弱さと欠点を突き詰めて、それが誠実さであると結論づけているように思います。これは、言い換えれば完全な存在である神よりも、不完全で弱い人間は、その誠実さでもってうち勝つとまで言っているように思います。
危険が潜んでいるのは人間や機械にではなく、人間が機械と接触するその接点である
★★★★★2008-09-28
訓練生ピルクスは鏡に映った経験の無さを象徴する自分の姿やそのぽっちゃりした顔に幻滅を感じます。若いピルクスは危機に直面して必死の対応をしていきます。それはユーモラスでもあります。自身の陥った状況を認識するのに一杯一杯で、トラの巻と一夜漬けをもとに行動の選択をとるピルクス訓練生。しかし物語が進んでいき、航宙士としてのキャリアを積み重ねたピルクスの鏡に映った顔には、翳った筋が。その頃にはもうピルクス船長は存在の意味と人生の意義について省察をする人となっています。

経験を積むにつれ、より複雑で予想不能な環境でも己の行動を柔軟に制御することが可能になっていくピルクス船長。それは機器の制御システムやロボットなど各短編のサブキャラクターである人工知能が、いかに経験を知性として蓄積していくかというプロセスを思わせます。結局、両者には大した違いはなさそうにも思えてくるのが不思議です。人工知能とは欠陥を潜在的に持っている機械にすぎないと描写されているにもかかわらず、ピルクスとともに彼らに対して憐憫や共感といった感情を抱いてしまいます。敵であるものとの心の交流といった複雑な意識のありようを考えざるをえなくなる場面もあり、人工知能と人間との接点を強く意識させられます。それは人間どうしにもあてはまり、最終作品では、ピルクス自身のとる行動が持つ、自分自身にとっての意味と他人にとっての意味との衝突に深い考察がなされていきます。

古典的なSF的帰結からサスペンス、ホラー、アクションなどの醍醐味も味わえ、コミカルな場面から法廷シーンまでバリエーションは豊かです。改訳も入ったとのことでかなり読みやすい印象です。思索の迷宮に引きずりこむ力業は自重気味なのですが、人工知能や宇宙を描きながらも、あくまでも人間を基準として世界を認識し、人間の可能性と限界を検証するレムの姿勢が垣間見えてきます。どう読んでも楽しめるのが本書の秀逸なところです。

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