シャドー81 (ハヤカワ文庫NV)

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  • メーカー: 早川書房
  • JAN/ISBN: 9784150411800
  • 定価: ¥ 1,050
  • 売上ランキング: 68191 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

奇想天外な冒険小説
★★★★2009-01-19
ロサンゼルスからホノルルへ向かうジャンボ旅客機を、
ベトナム戦争で行方不明になった最新鋭の戦闘機がハイジャックするという奇想天外な冒険小説。
本書に登場した最新鋭戦闘機TX75Eは、垂直離着陸が可能なため滑走路を必要とせず、
翼が折り畳めるので狭い場所にも収納が可能。
さらに普通の戦闘機の倍の航続時間を誇るという、夢のような戦闘機なのだが
残念ながらTX75Eは架空の戦闘機で、あの当時垂直離着陸が可能な戦闘機としては
イギリスのハリヤーが知られているが、離陸時に燃料を食いすぎる等、色々問題が多かったらしい。
このハイジャックはTX75Eがなければ実現不可能な設定であり、
日本で支持されている割には米国では評価されていないのはその辺の非現実的な設定のせいかもしれない。
またハイジャック犯の様々な(時には無理な)要求に当局が従順に従い過ぎではないかという疑問もないではないが、
ベトナム戦争や政治家に対する風刺も含めて非常によく出来た娯楽小説だと思う。
時代を超えて読み継がれる傑作
★★★★★2008-10-08
 ファン待望の新装版、早川書房はよくぞこの名作を復刊してくれた。この傑作の初版は1977年、新潮文庫から刊行されている。あれから30年以上の歳月が流れ、この本に驚愕した若者は今や中高年世代となった。本書の面白さは各レビューにある通りだが、「良い本」「力のある本」は読者それぞれに当時の時代背景までも鮮やかに蘇らせてくれる。

 ベトナム戦争や米国社会・同国防体制への強烈な風刺、航空機や船舶に対する博識と、それをわかりやすく散りばめた筆力、時間軸と地理的な相関関係の正確さ、プロットの巧みさや全編を貫く緊張感、訳者・中野圭二氏の見事な翻訳と相まって、どこをとってもページをめくるのが惜しいほどである。

 この名作を今日の若い世代はどう読むのであろう。今、読み返してみてもまったく違和感がなく、長い年月を超えて逆に新鮮ささえ感じるのは評者ばかりではあるまい。「冒険推理小説の面白さ」という点では群を抜く傑作である。作者ルシアン・ネイハム氏はこの一作のみを残して他界しているのがなんとも悼みきれない。今回の復刊によって「シャドー81」は永く読み継がれ、読む者の心に残り続けることであろう。
アメリカの偽善を暴くかっちょええ冒険小説
★★★★★2008-10-07
6ヶ国語を操るエジプト人が
アメリカ人を主人公にして書いた冒険小説の傑作。
ただし、アメリカの偽善も暴いているので、
アメリカではほとんどヒットしなかったらしいw
表紙からは航空冒険小説に思えるが、
海や陸での作戦も描かれます。
これよりスケールをでかくするとSFになるしかない
最大スケールの冒険小説。
本格推理としてもなかなかのもの。
本書がやらなかったネタは、
山田正紀 の『謀殺の翼747』 でやってますので、
本書のアイデアに物足りないと思った人は、読め!
常識をはるかに超えたハイジャック・冒険小説の白眉
★★★★2008-09-26
’77年、第1回の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位になった作品。当時は国内・海外の区分けがなかったので本書が正真正銘の年間ベストワンだったことになる。また同誌が企画した「20世紀ミステリーベスト30」でも海外部門で堂々第3位にランクインしている。(ちなみに第1位は『羊たちの沈黙』、第2位は『薔薇の名前』、そして第4位は『推定無罪』である。)本書はそれほどインパクトのある傑作である。

時代はベトナム戦争末期。乗客・乗員201名を乗せ、ロサンゼルスからホノルルに向かうジャンボジェット機が太平洋上でハイジャックされる。しかし、犯人は機内にいるのではなかった。ジャンボ機の後方からいつでも撃ち落とせるべくつけ狙う最新鋭の戦闘爆撃機に乗っていたのだ。犯人は2千万ドルの金塊を身代金として要求し、ジャンボ機の機長、地上の管制官、果てはアメリカ政府や軍を相手どって手に汗握る迫真の攻防を展開する。

その着想からして奇抜であり、実現不可能な犯罪と思われるが、本書では、犯行に先立つ第1部で、ベトナムに投入された戦闘爆撃機を、ハイジャックに使用するため盗み出そうとする計画と行動の一部始終が、詳細かつ正確な記述でなされ、物語のリアリティを生み出している。

本書は、全編にわたって、常識をはるかに上回るスケール、スリル、サスペンスで読者を魅了する、単なるハイジャックものの犯罪小説を超えた、冒険活劇小説の白眉である。そして、その面白さは発表から30余年経った今でも決して色あせることはない。

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