アメリカン・ギャングスター (ハヤカワ文庫NF)

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  • メーカー: 早川書房
  • JAN/ISBN: 9784150503314
  • 定価: ¥ 798
  • 売上ランキング: 231065 位
  • ★★★☆☆

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カスタマーレビュー

表題作は◎
★★★☆☆2008-03-15
表題作はニューヨークのストリートの伝説のギャング、というかディーラー、フランク・ルーカスへの取材に基づいたルポ。映画はもう終わっちゃったのかな。見てみたかった。表題作以外はつまらないので読まなくてよい。

特に迫力があったのは、こんな箇所。

<「さきを予見する・・・・・・さきに延びているあらゆるカーヴを見る」。そのとき初めて「うしろはアラスカからまえは南アメリカまで全部見通すことができる・・・・・・自分の道を邪魔するものは何も―――ゴキブリのちんぽに生えてる一番短い毛すら―――ないって自分で決める」―――そうやって次の大きな動きに向けて心の準備をととのえるんだ。>

中身は、経営者のインタビューなんかに出てくる言葉と変わらないね。しかも比喩はこちらの方が秀逸だろう。お毛々のケアまで行き届いているなんて、すごいじゃないか。

こんな描写もある。

<外国に行くことなんかまるで問題なかったな。なぜってこういうことは街角でやってるってことが分かってたからだ。確かにおれは学校には三日しか言ってないかもしれない。だけど、街角についちゃ博士号をもってる。おれは街角の博士だ。街角に関するかぎり、おれには自分のしていることがちゃんと分かっている。うまくいくことは初めからわかっていた。>

海外にヤクを買い付けに行くときの話。陳腐な表現だが、この街角学のPh.D Holderは、もしもちゃんとした教育を与えられていたら全く違った人生を歩んでいただろう。

ヤクの市場なんてない方がよいに決まっているが、需要者がいて供給者がいるんだから、こうしたDealer がいるのである。こういう事実を語るときに、それを倫理の水準で語るのは多分間違っていて、もっと経済学の水準で語るべきであろう。Lukas のやっていることは、自分のできることを見極め、分を弁え、市場の要求に応え、安定的に「商品」を供給することである。それはおそらく、ある種知的なふるまい方、処世術であり、こういうルポを読むとDealerの中にもある種の「倫理」があることを感じる。

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