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カーテン (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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  • メーカー: 早川書房
  • JAN/ISBN: 9784151300332
  • 定価: ¥ 672
  • 売上ランキング: 100162 位
  • ★★★★

カスタマーレビュー

殺人を防げないポアロの弱点
★★★★★2010-03-10
殺人を防げないポアロの弱点は、殺人が起きてから動く警察という経験から仕方が無いのだろう。

ポアロの最後も、ポアロのポアロによる、ポアロのための殺人で終わると言えばいいのだろうか。

最後まで殺人を防げないポアロの失態を、ポアロがどう受け止めるのか、ポアロそのものの限界がここで明確になる。

映像作品がなければ、ここまで読み次ぐ意欲が湧かなかったかもしれない。

ポアロを演じた俳優に乾杯。
ポアロに冥福を。
あまりにも苦い
★★★★2009-09-19
よくできた小説なのかもしれない。
だが、ポアロを愛してきたファンとしては、あまりにも苦い。

題材は見事。犯人の恐ろしさもリアルで最悪。
ラスト直前までポアロの最後を飾るにふさわしいと、大事に、大事に
読み進んだが、これはポアロ以外でかたちにしてほしかった作品だ。

ポアロのファンは彼の尊大なユーモアと正義感を愛している。
この結末は、EQ「最後の事件」以上に私に大きなため息をつかせた。
さよなら ポアロさん
★★★★2007-08-07
ポアロさんも 寄る年波には勝てず・・・。

読んでいて 痛々しいものがあったけど、作者が大事に育てた・・そして共に歩んできた探偵との別れは こうであるべきなんだなと実感しました。

それは 私の愛するもう一人の 探偵 ドルリーレーン(エラリークイーン作)にも当てはまることでもありました。

実際に手を下さなくても 殺人を示唆する 憎き犯人。
ポアロの脳細胞が最後まで 冴えます。

自らカーテン・コールを引く両者
★★★★2006-11-20
作者が自身の死後に発表するように言い残していた"遺作"。何時頃書かれたかは不明だが、他の作品には見られない緊迫感が全篇を覆う。そして、遺作にふさわしくクリスティは畏友ポアロにも本作で大きなプレゼントを用意している。舞台設定と役回りである。クリスティらしい配慮と言える。

真犯人が被害者を"殺す"手段はクィーンの「生者と死者と」からヒントを得たものだろう。また、話の結末の付け方は同じくクィーンの「Yの悲劇」を参考にしたものだろう。これらが悪いと言っている訳ではなく、物語の中で昇華されていれば良いのである。そして、本作では成功しているように見える。

数々の名作で我々を楽しませてくれたクリスティの最後の輝き。
ポアロよ、さらば!
★★★★★2004-12-12
「ポアロの最後を描いた作品が現に存在する以上、いつかは読まなければならない。でも、そのときは、少しでも先に延ばしたい」。それが、熱烈なポアロファンの偽らざる本音ではないだろうか。私も、そんなうちの一人であったのだが、ついに、私にも、この作品を読まざるを得ないときがやって来たようだ。 ちなみに、この作品は、出版こそ1975年なのだが、実際には1943年に完成したポアロ物22作目の長編であり、アガサは、この後も11作品を書き続けることになる。ポアロ物については、自伝で、「初めの3、4作で彼を見捨て、もっと若い誰かで再出発すべきであった」と述べているように、人気に押されて書き続けなければならなかった面もあったようだが、このポアロ最後の舞台を、スタイルズ荘という、ポアロのデビュー作であるとともに、自身のデビュー作でもあった記念すべき作品と同じ場に置いたところに、アガサのポアロに対する思い入れの深さを感じたのは、私だけではないだろう。  さて、この作品の冒頭で、ポアロは、「立居もままならず、どこへ行くのも車椅子の厄介になり、すっかり肉が落ちて痩せ衰え、顔には皺が刻まれている」という、衝撃的ともいえる残酷な老いの描写をされており、デビッド・スーシェ演じるところの、あの小粋で誇り高いポアロのそんな変わり果てた姿が脳裏に浮かび、いたたまれない気持ちにさせられる。  しかし、そんなポアロも、頭脳は健在である。スタイルズ荘の住人の中にいて、新たな殺人を犯そうとしている狡智に長けた謎の連続殺人者Xとの命を懸けた戦いには、アガサの騙しのテクニックが幾重にも張り巡らされており、見事の一言だ。衝撃の結末とあいまって、これはもう、ポアロ物集大成の最高傑作といってもよいだろう。最後までこんな素晴らしい傑作を隠していたアガサは、内心、ほくそ笑んでいたに違いない。 
誇り高く散っていったポアロよ、さらば!   
  

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