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川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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  • メーカー: 早川書房
  • JAN/ISBN: 9784151767029
  • 定価: ¥ 1,029
  • 売上ランキング: 11482 位
  • ★★★☆☆

カスタマーレビュー

翻訳物にしては読みやすい
★★★☆☆2010-02-18
(初の書評です。慣れていない点をお許し下さい。)
ミステリーやサスペンスが好きで、日本の作品をたくさん読んでいる人には、洋書の翻訳作品は読みづらい事が多いです。原文に忠実な故、1.外国の人の言い回しやウィットが把握しづらい、2.それを日本語化してもスムーズに繋がらず、頭にすっと入らない、3.描写に比喩や暗喩が多いのが主な理由かもしれません。

そんな中、この作品は最初さえクリアして読み進めてしまえば、日本人にも原文で読んでいるような感覚を与える、踏み込んだ翻訳だなと感じました。中で「それは黒人だったか?白人か?」というような問いに「赤首(野郎)だった」みたいな表現があり、それにはプっと笑ってしまいましたが。レッドネックって日本語で赤首で通るんでしたっけ。無教養の田舎モン的な意味がとれるのかな。

作品自体は、翻訳を読むと、主人公(を含め他の登場人物も)がほとんどいつも怒っている、憤りを感じている、苦虫を噛み潰しているという印象を感じます。それゆえ、読者も常に肩が凝る様な状態にさせられます。原文ではどうなのか、機会があれば読んでみたいです。
家族という絆という名の鎖
★★★★2010-02-12
 ミステリーが好きだ。ミステリーの「話を終盤にむけてまとめていかなければならない所」が好きだ。もちろんそうじゃないミステリーもあるけれど、私が好きだと思うのはそういう本が多い。
 川は静かに流れは、久しぶりに読んだ長編ミステリーの中でも心に残るものとなった。
 この話は、家族という鎖が話の肝になっている。
 家族の仲が話をつくりだしているから、ミステリーとしてより良い意味で「面倒」になっている。
 家族がこんなに複雑に絡まっていなければ、この話はミステリーとして成立していない。逆に家族が複雑に絡まっているからこそ、面白いミステリーだ。
 人間には立場があって、気持ちがあって動いている。
 意味がない行動なんて、きっと何一つないのだ。「なんでこんなことしたんだろう」と思うような行動にも絶対「気持ち」がある。そんなの分かってて、でもうまくいかないから面白いのだ。
 この話はたくさんの事件が次から次におこらない。人間を真ん中にもってきている話の場合、それが一番だと思う。テレビドラマのように暇なひとが離れてしまう場合は3分に一度なにか起こるべきだけど。一つの事件をたいせつに、根っこにもって進む話。そしてたぶんだけど、和訳が上手な気がする。海外の小説であらすじを読むと面白そうなのに実際読み進められない本が私には多くあります。そんな中でこの本はとても読みやすかった。
 旅行にいく前にかった本だったけど、旅先でお酒のみながらゆっくり読むには最適な本でした。
うーん
★★☆☆☆2009-10-25
面白くない。全然読み進められなくて放棄した。
実は彼には前回も挑戦し同じような感想をもった。

きっと合わないんだと思う。
お父さんとも合わないし。

読みずらい上にダラダラ進むといった感じでした。

評判通りの面白さをもった小説
★★★★★2009-09-19

 無罪になったとはいえ、5年前に殺人の嫌疑をかけられたアダムは事件の後に故郷を逃げるように離れた。親友のダニーからの突然の電話に懇請されて帰郷した彼を待ち受けていたのは、自分を勘当した父や昔の恋人である女性警官、そして新たな殺人事件であった。

 私は普段3冊前後の本を並行して読むのが常ですが、本書は他の書を脇に置いて黙々と読み続けてしまうほど魅力的な書でした。

 巻頭で著者が遠慮がちに注意を促すかのように記していますが、これは正攻法のミステリー小説というより、まさに「家族をめぐる物語」以外のなにものでもありません。だからこそ、この物語はひょっとしたらあなたの、そして私の物語であるかもしれない、という思いを心の底に生む展開を見せるのです。

 登場人物たちは物語の至るところで厭世的なセリフを吐露します。
 「人間とはそういうものだ。さっさと決めつけ、いつまでもねちねちと覚えている。」
 「歳を取れば取るほど背負うものが増える。押しつぶされるほどの重荷がな。」
 「人生は苛酷だ。…いろいろ大変だぞ。いいことも悪いことも、そのあとのことも。」
 5年前の事件以後もかさぶたのまま残ってしまった傷跡をさらにほじくり返すかのように、家族や友人たちは新しい事件を追う途上で鋭く切り結んでいきます。既に生きることに疲れてしまった人々をさらに完膚無きまでに打ちのめす新たな事件。

 それでもアダムの元恋人ロビンはこう語ります。
 「人生は短いのよ、アダム。心から大切だと思える人にはそうたくさん出会えない。だから、出会えた人を手放さないためには、どんなことでもするべきよ。」
 「なんの話だ?」と訝るアダムに対してロビンはこう言葉を継ぎます。
 「人間は誰でも過ちを犯すと言っているの。」

 だからこその赦しの物語と取るのか、それとも戒めの物語と取るのか、この570頁の小説に対する判断は読者に委ねられるでしょう。
分類不能
★★★★★2009-09-11
 著者が冒頭の謝辞で書いているとおり、この小説は「家族をめぐる物語である」。いくつかの殺人が物語の中核をなすため、スリラーやミステリーに分類されるのでしょうが、話の中心はそこにはないと思われます。あくまで、血のつながった、または血のつながらない大きな意味での家族・友人をめぐる物語と感じました。そのため、犯人探しやタネ証しはサイドストーリーにしかすぎないと思います。
 ミステリー好きの方には「犯人すぐわかっちゃったよ〜」ってことなのかもしれないので、犯人探しに重きを置く方や、トリックに重きを置く方には不向きな小説だと思います。私が鈍いだけかもしれませんが、私はかなり後半まで犯人すらわからず、ただ主人公に感情移入してあっという間に読み進んでしまいました。

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