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リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理

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  • メーカー: 早川書房
  • JAN/ISBN: 9784152090362
  • 定価: ¥ 1,890
  • 売上ランキング: 17683 位
  • ★★★★

カスタマーレビュー

リスクに対する人の行動。論理的な検証
★★★★★2009-10-09
教育水準、食糧事情、医療などなど、現在は人類の歴史上、もっとも恵まれている時代です。
それは平均寿命の推移からも知ることができます(アメリカは1930年に59歳。今は78歳)。
しかし、私たちは「今は昔に比べてリスクが高い」と感じます。統計上(著者は「頭」と呼ぶ)、リスクがなくても、感情(「腹」と呼ぶ)が結論をだすからです。
なぜ、統計よりも感情で、人々は判断するのかを論理的に検証しています。
著者は、「もっと論理的になりましょうよ」という目的で書いていますが、私自身は「なぜ、人は論理的に判断しないのか」を知る目的で読むことができました。

人が「頭」よりも「腹」で決定した例をいくつかあげ、その理由を論じる形をとっています。エピソードが興味深いため、飽きずに読むことができました。
エピソードの例:
1 豊胸シリコンパッドが結合組織の病気をおこす。根拠はないが、FDAが禁止し、製造業者は使用者に賠償命令がでる。賠償金額が多すぎたために、倒産。結局、利益を得たのは弁護士だけ。
2 コレステロール薬。以前は病気ではなかった高脂血症に対して、危険をあおり、抗コレステロール薬のマーケティングを行う。「ファイザーは販促のために死の恐怖を用いている」を引用している。
3 ネット監視ソフト。「5万人の小児性愛者がネットを徘徊している」という、根拠のない統計が使われている
4 テロ。テロの死ぬ確率は1万〜10万分の1。雷で死ぬ確率は79746分の1。しかし、アメリカ人の6割がテロの恐怖を感じている。

最初の部分は「経済は感情で動く」という本とほとんど同じ内容でした。この本はジャーナリストが書き、「経済は感情で動く」は学者の書いたものです。こちらもおすすめです。
リスクの本質
★★★★★2009-08-29
 始まりのプロローグで度肝を抜かれる。2001年9月11日航空機を使用した同時多発テロの恐怖に怯えた米国市民は移動の際に航空機の使用を控えるようになった。テロで命を落としたくないからである。その結果どういうことが起こったのか。
 航空機で命を落とす確率はきわめて小さい。そういえば毎日乗り続けても8200年に一度の死ぬ確率であると僕は誰かが計算したのをインターネットで見たのを覚えている。
 テロの後、多くの市民は飛行機に乗らず車での移動を余儀なくされた。自動車での移動することになったため、自動車事故で死亡した数は1595人と推計されると言う。
 情報として提示された数字の本質を見極めることに気づかされる良書である。
これは認知心理学の本です。
★★★☆☆2009-08-26
タイトルにも書きましたが、この本は「各種の異なったタイプのリスクを評価する」といった類の本ではないように思います。ジャーナリストが書いたということもあるのかもしれませんが、どちらかというと、通底するテーマ、「人は、理性的に導き出されるのとは違った感情的なリスク評価をしてしまうし、それは心理学の研究でも示されているよ」ということを繰り返し述べているものだと思います。
 本書が取り上げているテーマ自体、重要かつ面白いものであり、また、それが克服されれば、今起こっているおかしなことがもう少しまともになるという点で、たくさんの人に読まれることは意義深いと思いますが。
 一方で、特定のリスク、日本のみなさんがが特に興味を持ちそうな話題、例えばダイオキシンやら地球温暖化といったことについてのリスク評価、といった点ではそれぞれを専門とする科学者が書かれた本を参照すべきかな?、というようにも思います。

けちつけるつもりはありません。面白い本です。ただ、このあたりの話に日々直面しながら仕事している立場からいって、「ちょっと食い足りない」というところで星3つ(笑)。
指摘はするどいのですが・・・
★★★★2009-07-07
リスクを示すことで利益を得ようとする者たちによって、人間がいかにあっけなく騙されていくかを、心理学の研究成果を引用しながら鮮烈なまでにさらけ出していきます。たいへんに説得力のある本です。

人はどんなに注意していてもペテン師たちに騙されてしまいます。なぜでしょう? 人間は現在のような「巧妙に人を騙すこと」で満ちあふれている世界に適応するようには作られてはいないからです。人間はいまもなお、狩猟時代に適合するように作られた脳みそのままで生きているからです。

ただし大問題を扱うほとんどの書物に共通していることですが、そこに示された解決案には難があります。どういうことかというと、いくら著者が「いまの時代が最高にいいんだよ! リスクに騙されてはいけない! 理性を働かせるんだ!」って言ってみても、やっぱり脳は大昔の本能に沿って勝手に働いてしまうことでしょう。何のことはありません。著者自身がその頼りなさをさんざんに示してきた理性に頼るなど、そもそも解決策になどまったくなってはいないのです。まさに自己矛盾といってもいいでしょう。

数多くの本の中でしつこく繰り返されるこの「理性尊重という解決策」の愚かさこそ本当は最も徹底的に討論すべき主題だと思うのですが・・・
翻訳本にしては読みやすい
★★★★2009-06-28
知らない出版社で心配でしたが、これがまた良い内容でした。

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