CIA秘録上

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  • メーカー: 文藝春秋
  • JAN/ISBN: 9784163708003
  • 定価: ¥ 1,950
  • 売上ランキング: 17897 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

ジャーナリストによるCIAの通史
★★★☆☆2009-05-30
 本書の最大の売りは、伝聞や推測に頼るのではなく、膨大な数のインタビューと機密解除された内部文書を利用し、しかもこれらのソースを全て巻末に載せているところにある。これはこの種の分野の書物にしては珍しいことであり、意欲的な取り組みとして評価されるべきだと思う。ただ、本文の中に盛り込まれた全ての情報に脚注がついているわけではないので、筆者の想像によって書かれた箇所も少なくないものと思われる。「この部分については十分な情報が得られていない」といった断り書きを書いておいた方がもっと説得力が出たのではないかと思う。

 内容はCIAの誕生から現在に至るまでの通史となっており、読み応えがある。第二次大戦後の国際政治上の様々な事件にどれだけCIAが深くコミットしてきたかがよく分かる。ただ、筆者は登場人物に対して明白な好き嫌いを有しており、それがあからさまに文章に表れており、かなり客観性に問題がある本だと感じた。そもそも、筆者のCIAに対する程度もネガティブであり、始めに結論ありきの本になっているとの感を拭うことができない。また、本書は読者の関心を引きやすい秘密工作のみに焦点をあてており、地味な分析の仕事や古典的なスパイ的な仕事についてはほとんど書かれていないのも物足りないところである。
原書を読もう
★★★☆☆2009-05-09

 カネと人をふんだんに注ぎ込んで、ロクな成果が得られないのは、CIAだけでなくアメリカ(人)の典型的なパターン(イラク戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争)だが、その実態をかいま見るのは一興というもの。ただ、この本に挙げられたCIAの失敗の数々は、田中宇の言うように実はワザと失敗することを目的として、行われたのではないかと言う気もする。

 一つ批判を書いておくと、翻訳があまりに稚拙。受験英語レベルの逐語訳にすら失敗していて、ところどころ何を言いたいのか意味不明なところがある。一ページに一カ所くらいならまだしも、ひどいところは10カ所くらいあり、まともな日本語になっておらず、思考が中断させられる。訳者自身も、何が書いてあるのか分かっていなくて訳文を書いているのが見え見え。はっきり言ってこの程度の出来で、お代を頂くのはご冗談でしょう、と言ったところ。

 原書はベストセラーになっているようなので、原書を読める人は原書を読むべきだ。原書が読めない人は、本屋で立ち読みしてから、買うかどうか決めよう。
噂、伝聞一切なし
★★★★★2009-02-11
ということで、この本の凄いところは、すべての記述にその出所、ソースを明示してあるところ。朝日新聞グローブの本人のインタビューにもあったように「200ページ以上のソースノートは私の武器」。というように、読者がその真贋や歴史的な文脈を判断できるようゆだねられている。
 そのうえで、この本は、CIAを通じてみた戦後の世界の紛争の歴史ともいうべき大河ドラマ。ベトナムやインドネシアなどでいかにアメリカの介入があり、そのなかCIAがどのような役割があり、大統領府はどのようにかかわっていったのかが、語られる。いわば権力の中枢であるホワイトハウスのなかでの政策決定のプロセス(ケネディ政権のキューバ危機の部分は、私たちの常識を覆して面白い)と現地での局員の作戦がパラレルに俯瞰できるようになっている。
 人を騙すということで成り立つスパイという仕事、そのなかで、精神がおかしくなってしまう幹部たちの描写もすさまじく、CIAの幹部は、極度のアルコール依存か、偏執病、あるいは、巨大なる自我を飼い馴らすことのできない人々の群れという地獄絵がひろがる。
 そうしたなかで、自己を保っている人の判断などもみもの。
ということで、組織論としても読めます。  
 
9.11が防げなかったわけ
★★★★★2009-02-07
スパイ映画の007のせいもあるだろうが、陰謀とか謀略が専門の組織体によって、やすやすと行われていると誤解しているのではないか。本書はそういう幻想を取り除く事実だけで語られた書だ。
これを読めば、何故9.11テロをCIAが防ぎえなかったのかよくわかることだろう。しかも、第二次大戦後のCIA初期からさまざまな問題を抱えていたのにも関わらず、数々の作戦の失敗(数千人単位の工作員の死亡)にも改善は行われずひたすら隠蔽と秘密主義のみがこの組織では横行したのだ。
皮肉にも、彼等の数少ない作戦の成功例が「戦後日本の政権への介入」であったことは、日本人としてよく理解しておくべきかと思われる(第12章で説明)。
なお、この上巻の終わりあたりはキューバ危機とケネデイ暗殺にかかる記述が続いているが、何も知らない人が抱いている「ケネデイへの幻想」もまた幻想でしかないことが、多くのページを割いて語られている。そのことは、オバマ政権への幻想もまた危険であることを、連想させる。
記述内容は良いのだが・・・・・・
★★★☆☆2009-01-15
内容的には目新しくショッキングな事柄や、通説を補助・補強するものまで含まれ、著者の取材力やその姿勢には頭が下がる。しかし残念ながら翻訳が・・・・・・。翻訳に割く時間が充分ではなかった訳ではないだろうに、中学生が英和辞書を片手に訳したような文章で、非常に残念。改訂版や文庫版などが出版される機会があるとすれば、是非訳文の見直しをお願いしたい。内容が申し分ないだけになんとも残念至極。。。。。。

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