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坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)

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  • メーカー: 文藝春秋
  • JAN/ISBN: 9784167105792
  • 定価: ¥ 670
  • 売上ランキング: 865 位
  • ★★★★

カスタマーレビュー

組織とは何か?人材とは何か?
★★★★★2010-02-20
『坂の上の雲』第4巻です。やっぱり興味深かったのは、日露戦争における《旅順攻撃》の記述です。無能な指揮官と、無能な参謀による、無能な作戦が、どんどん被害を拡大させて行く描写が圧巻です。これがフィクションではなく、《史実》だったことを思うと、背筋がゾッとします。また、これだけ無能な指揮官と無能な参謀を止めることができなかった、《組織の論理》にも、背筋がゾッとします。また、遠い歴史の話ではなく、現代の日本の状況を思わせる所も、背筋がゾッとします。組織とは何か?人材とは何か?について、深く考えさせられる第4巻でした。
あの乃木も司馬にかかれば・・・・・
★★★★2009-12-14
 第三巻の冒頭で、正岡子規が死んでしまって以来、この第四巻でも、彼の回想シーンでさえもなく、彼はもう登場しない。NHKではじまったスペシャルドラマでは、秋山兄弟が主人公、特に弟の秋山真之が主人公として設定されているが、この第四巻では兄弟はまず出てこないし、台詞もない。むしろこの第四巻では、戦争とりわけ日露戦争が主人公である。

 小説といっていいかどうかわからぬが、この小説風ルポルタージュは、明治時代を生き抜いた秋山兄弟のその生き様をバックボーンに据えつつ、欧米列強、特に中国(清)とロシアと日本との文化的・文明的、さらにいえば文化人類学的にその相違点等々を考える記述が多く、むしろこっちのほうが私には面白い。

 ダラダラと読み進むことを強要された形の第三巻に比べ、この第四巻は面白い。秋山兄弟が出てこないにもかかわらず、乃木希典と伊地知幸介をトップに抱える旅順攻撃用のこの乃木司令部を「世界戦史にもまれにみる無能司令部」と喝破する痛快さ! また大ロシアのバルチック艦隊の兵士たちの士気の低さ、無機能ぶり、愚かさ程度が興味深く描かれている。乃木の26日にこだわる「総攻撃」とか「白襷隊」等々のヒステリー稚態をはっきりと言ってしまうなんて、何て勇気ある!

 この第四巻は、ジュンク堂大阪本店で買った。私が今のところ最もよく利用する本屋さんである。この大阪本店は、旧毎日新聞大阪本社跡地に建てられた堂島アバンザ内にある。1階がコミック、2階が新刊書・文芸書・文庫本、3階が社会科学・自然科学系統の専門書が多い。この大型店舗の2階でも司馬の本はNHKドラマにあやかってか、平積み状態で売られている。この本屋の一番いいところは、ここで買った本を読んだり、また買わずともそこらの売場にある本・雑誌等を勝手に手にとって、自由に読んでいいスペースが設けられていることだ。この窓際の椅子は終始、満席の状態にある。そのせいか、ジュンク堂は「日本一の図書館」の称号すらもらっているのだ。こりゃいい。
著者の乃木嫌いが顕著に表れた巻
★★★★2009-08-18
 第4巻を読んでいて感じたことは二つ。
 ひとつは「世界の中の日本」、二つ目は「著者の乃木嫌い」だ。

 これまで読んだ司馬作品では(特に戦国期の作品では)外国人の名前が出てくることはなかった。
 しかし、本作は日露戦争を描いた作品だけあって外国人の名前が数多く出てくる。
 そのことを考えながら読んでいると、「世界の中の日本」を思わされる。
 特にそのことを感じたのは日露戦争が「ロシア革命」に関わっている記述だ。
 この部分を読んでいると、「やっぱり鎖国はよくなかったのか」と考え、また「世界の中の日本」を再認識させられた。

 司馬遼太郎と言えば大の乃木希典嫌いとして知られている。
 しかし、私がこれまで読んできた司馬作品からはそれを感じることはできなかった(強いて言えば「飛ぶが如く」)。
 しかし、本作は違う。乃木批判のオンパレードだ。
 ここまでこき下ろしていると、「乃木希典はよほどの愚将だったんだな」と思ってしまうが、逆に乃木を「名将」としている人もいるのでよくわからない。
 ここからわかるのは、「良く見るも、悪く見るもその人の考え方次第」ということ。
 「人の意見に左右されてはいけない」ということをここから学ぶことができる。

 さあ、「坂の上の雲」も折り返し地点についた。
 今後どのように歴史が展開していくのか。目が離せない。
気力、運、敵失、全てが日本に味方した
★★★★★2008-12-28
 黄海海戦、遼陽会戦では敵失もあり、勝つことが出来た。その一方で旅順は膠着する。
 作者がうまいのは、陸戦、海戦だけでなく、外交、スパイ、日英同盟、戦費調達など、日露戦争を巡る全ての要素を同時に進行させていることだ。
 実力で劣る日本がいかにして勝てたか。勿論明治人の冷静な計算、士気が勝っていたことも確かだが、運や敵失にも助けられている。本当に薄氷を踏むような戦いだ。
乃木 希典の評価
★★★★2008-10-28
日露戦争において英雄か凡将か評価が両極端に分かれる乃木希典。

司馬先生は凡将の立場で旅順攻略戦を描いており、
乃木の評価に対する議論を紛糾させる契機になったといわれてます。
とにかくこの本では正面から突撃あるのみです。

大将の心理を含め、日露戦争を丹念に描いています。
ロシアのクロパトキンもそうですが、
個人の感性や性格に戦局が大きく左右されていく姿に興味が惹かれました。

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