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坂の上の雲〈6〉 (文春文庫)

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  • メーカー: 文藝春秋
  • JAN/ISBN: 9784167105815
  • 定価: ¥ 670
  • 売上ランキング: 593 位
  • ★★★★★

カスタマーレビュー

《歴史の教訓》から、学ぶ。
★★★★★2010-02-28
日露戦争の当時、日本とロシアの国力は、比較にならないくらいロシアの方が上だった。軍事力、経済力、国際政治力、全て、ロシアの方が上である。でも、この戦争は、結果的に日本の戦略的な勝利に終わった。この意外な結末の原因を考えると、あの当時のロシアは、国全体が《腐敗》していた点にあると思われる。やはり、当時のロシア国民から見れば、《この腐敗した》国家に生まれた時点で敗北が決定していたのだろう。しかし、日本から見れば、この戦争の戦略的な勝利は、単なる《まぐれ》ではない。自国の圧倒的な不利を自覚した日本の、綿密に練った《作戦勝ち》だったという側面もある。しかし、この後、日本は《必勝の信念》の虜となり、合理性と計画性を喪失することになる。戦争は、巨大な《悪》であり、決して繰り返してはいけないものであるが、《歴史の教訓》から学ぶことは多いです。
恐るべし明石元二郎
★★★★★2010-01-04
全8巻からなる、日露戦争を中心に描いた歴史小説の6巻目。

海軍も、陸軍もクライマックスの戦いへ向かって邁進していきます。

しかしその裏では、大諜報作戦がありました。
中心人物は、明石元二郎。

既にこの前の巻までで、ちょろちょろと名前が出てきましたが、
やっと大々的にフィーチャーされます。

う〜ん。
期待にたがわず、キャラが立った人物でしたね〜。(;^_^A

明石のエピソードに一つに、陸軍統帥・山県有朋の前で、小便を漏らしてしまった事件があります。
自前の構想を語るに夢中になり過ぎて、小便を漏らすのにも気付かず、その小便は床を伝って山県の足まで濡らしてしまった……と。(^^;;

でも、こういう狂信的な集中力があったので、
ロシア革命を扇動することもできたんでしょうね。

「『──あの男は、総理大臣の器ではないのか。』と当時の元老のあいだでは定評があったというほどだったから、
明石にはうまれつき経綸の才があった。」
と作者は書いています。

諜報活動は、決して歴史の表には出ません。

しかし、「表」と「裏」は表裏一体。
東郷や乃木、児玉、秋山兄弟……といった「表」のキャラクターと同レベルの賞賛を、
明石は与えられるべきでしょう。
ロシア革命の影のキーパーソンは?
★★★★★2009-12-25
 この文庫本第六巻も、好古、真之の秋山兄弟はほとんど登場しない。どころか、台詞もない。この場面、NHKはどうするんだろう。主人公真之役のモックンはこの長い手待ち時間をどうすんだろう?

 手待ち時間といえば、マダガスカル島のノシベなる辺鄙な港に逗留中のバルチック艦隊、2ヶ月の手待ち時間が過ぎ、ようやくインド洋に繰り出した、やれやれご苦労様。英国に邪魔され、動力の石炭すら手に入れることもなかなか出来ず、やっとの思いで手に入れた石炭といえば、黒煙もうもうの悪質な有煙炭とくりゃあ、こりゃ船員の士気は完全に消滅するわなあ!
 満州・黒溝台の二人のロシア人大将、クロパトキン、グリッペンベルクのほうも大変、官僚的仲たがいのおかげで、日本に勝利をもたらしてくれたのだ。おまけにグリちゃんは、嫌気がさしてペテルブルクへ帰ってしまい、彼の地で、クロパトキンの批判をするわするわ。
おかげで、乃木さんは、悠々と次の戦地、奉天へ向かうことになったのだ。

 しかし、第六巻で最も興味深いのはロシア革命の影のキー・パーソン、日本の明石元二郎大佐だろう。このような日本人スパイがいたのだ、このような興味深い日本人が、日露戦争の影に、またロシア革命の影に生き生きと仕事をしていたのだ。明石のエピソードが書かれている箇所は、本当に面白く、司馬の文章も実に生き生きと躍動しているのだ。
歴史を学ぶ理由
★★★★2009-08-24
 中学1年の時、社会担当の先生にこう聞いたことがある。
 「歴史を勉強する理由は?」と。
 先生はこう答えた。
 「同じ過ちを犯さないため」と。
 その理由は当時よくわからなかったので、頭の片隅に留めておくにすぎなかったのだがその答えの意味が「坂の上の雲」特にこの巻を読むとよくわかる。

 長い歴史を見ていくと、絶対的権力をもった人物・組織が瓦解し、滅亡していく事例は多い。
 日本史に限定してみても、平氏や豊臣氏など多数ある。
 そしてそれらの滅亡の理由とロシア帝国滅亡の理由は同じであるというのが個人的見解だ。
 特に豊臣家とロシアが実に似ている。
 
 豊臣秀頼の生母・淀君またその周辺人物は、「豊臣家が滅びるわけがない」「全大名が豊臣家に忠誠を誓うことは当然」といった格好で、他大名や部下たちへの細かい気遣いがなかった。
 ロシアも豊臣家と同じであったことが本巻を読むとよくわかる。
 「同じ過ちを繰り返さないために歴史を学ぶ」という言葉の意味がここにある。

 人間は常に向上心を持っていないと成長しない動物である。
 しかし、常に前を向いていればそれでいいのではなく、気づいた時には歴史や過去の自分経験などと照らし合わせて省みることが大事だ。
 それができなかったから豊臣氏もロシア帝国も、また日本も敗戦を迎えてしまったのだろう。

 歴史を振り返ってみて自分と照らし合わせてみる、そして駄目だと思ったらすぐに修正する。
 それが社会で生きていくために必要なことなのだと思う。
明石元二郎のスパイ活動
★★★★★2008-12-28
 この巻は日露戦争そのものの記述もあるが、むしろ傍論の方が面白い。バルチック艦隊の苦闘や明石元二郎のスパイ活動の描写が面白い。
 特に明石元二郎である。スパイらしからぬ真直ぐな態度で任務を遂行しようとする姿が、意外にもレジスタンス活動を展開する人たちに受け入れられる。同時に、大国ロシアに立ち向かう小国日本に対する海外の目が優しいことにも気づく。

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