容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)

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  • メーカー: 文藝春秋
  • JAN/ISBN: 9784167110123
  • 定価: ¥ 660
  • 売上ランキング: 33 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

犯行動機が「献身」ということ
★★★★★2008-11-17
映画から入りました。
映画が(個人的に)あまりにも良かったので、つい買ってしまいました。
読んでみた感想は、人間ドラマとして非常におもしろかったということです。
ミステリとして見て、トリックの追求をするような種類の作品ではないような気がします。

また、ミステリなのに読後感がさっぱりしているのは、石神の犯行動機が「献身」(これは純愛とは違うと思いますが・・・)だったからではないでしょうか。
ミステリで泣けたのは少なくとも初めてです。

あと、原作を読んだからといって、映画を批判する気にはなりませんでした。
映画は映画で2時間で原作のうまみを演出しきっていたと感じています。
火曜サスペンス劇場+α
★★★☆☆2008-11-17
天才数学者が考えた殺人トリックということでワクワクと期待して読んでいたが、一つのトリックとしては、それなりに意外性があって良かったと思うものの、その仕掛けに思ったほど驚けなかったというのが正直な感想。 ただ、死体の処理方法に関して、「自分だったらこうするだろうな」と思い描いていたやり方が、真相の一部になっていたので、少し嬉しかった。

 トリック以外の部分を見ると、殺人に至る経緯、動機、物語自体の展開、各人物の行動や言動、その心理、会話といった諸要素は、火曜サスペンス劇場並に陳腐で、使い古されたものであるように感じた。 もちろん、それが悪いと言うことではないが、なにせ人物の心の動きが火曜サスペンス劇場並の描写であるために、謎解き以外の部分を読ませられるのが苦痛だった。

 上記のような無味乾燥なパーツのためにストーリーが冗長になっている感は否めず、謎解き部だけに絞って書いてほしかったという印象を、読みながら持った。 こうした不必要な諸描写を削いで、ミステリだけに焦点を当て、全体でページを200ページ程度でまとめられていれば、★をもう一つ増やしても良かった(トリックはシンプルで、解明に至るまでに証明しなければならないプロセスも短いので、200ページ以下で十分だと思う)。

 普段は海外の小説を読むのが主なため、日本の、しかも推理小説を読むのは久しぶりだったが、十数年前の昔に、ちらっと読んだ赤川次郎を思い出した。 だからどうだと言うことではないのだが、疾走感やわくわく感に関して、もう一声欲しかった…そんな小説だったと思う。
 そして、「数学的思考」という単語が出てくるが、この用語に数学科の人たちはどういう反応をするのか、疑問ではある(もちろん、これは単なる語の定義の問題だが)。
観てから読むか読んでから観るか
★★★★★2008-11-16
観てから読むか読んでから観るか、悩んだ結果、やっぱりまず読んでみました。
東野作品としてはまだ4冊目ですが、どれも他と似ていない、というか、毎回よく構想が尽きないなあ、と感心してしまいます。
「容疑者X」も、トリックもストーリー展開も素晴らしく、とにかく楽しみました。
ただ、天才的な頭脳を持つ容疑者Xの行動は、凡人の私には一人の人間として想像しがたい感もありまして、そこは堤真一さんの見せてくれる人物像に期待しつつ、明日映画を観に行きます。(堤さんのファンであります!映画の予告編CMの表情に既に惹きこまれています。)
完全なことが、不完全になる過程に着目
★★★★2008-11-15
一番印象に残り感銘を受けたシーン(言葉)は、「こあらの散歩」さんのレビューに記載されているので、
是非、そちらのレビューを読んでみてほしい。

映画の宣伝で気になるシーンがたくさんあり、早く映画を見たかったが、タイミングを逃してしまいまだ見ていない。
なので、文庫本から読むことにしてみた。
展開が気になり、あっという間に読み上げてしまうほどストーリーに入り込み、
石神、湯川、刑事の論理展開を存分に楽しませていただいた。
特に、石神の、「前もって用意されていた、隙のない愛情に満ちた完全犯罪」には驚き、
数学的な思考力の凄さを思い知らされた。

計画した当事者(石神)ではない人間(花岡靖子)の不意に出た些細な一言が、
完全犯罪で終わるはずのシナリオに、歪みを生んでしまう。
どんなに完全に計画出来、目標が同じでも、関わる人が増えれば増えるほど、
ちょっとしたミスや価値観の違いで、完全が不完全になってしまう。

人間関係でよくあるような「誤解」や「ちょっとした一言」で、
うまくコミュニケーションがとれなくなってしまう極端な一例にも思えた。

やり直しがきかない犯罪となれば、何気ない生活とは違い、それが致命的となる。

そこにずかさず気づく湯川の「洞察力」と「石神の性格を踏まえた論理的な推理」が、
完全犯罪で終わらせたかった石神を苦しめ、
結局、論理を邪魔する「感情」が、事件の鍵を握り、
結末も、石神が望んでいた終わり方ではない。

しかし、結果、論理的な幸福を飛び越えた、「愛」と「情」に満ちた結末になっていて、
映画の宣伝で流れている、石神が泣き崩れる印象的な場面とその全貌が、私なりに繋がった。

私は、その最後に泣き崩れるシーンを読んだ時、
石神が背負う「重たい使命」と「愛されていないかもしれないという不安」が
初めて和らいだように感じ、
私の緊張も同時にほぐれ、感動の涙が流れた。

石神の容姿に関しては、「堤真一」のイメージとは真逆。
しかし、中身はドンピシャ!なので、
映画を見るのが益々楽しみになった。

湯川のキャラクターが捉えにくく、
ドラマの湯川(福山)を想定したくなってしまったので、

心を鬼にして、星1つ消した。




確かに読みごたえのある頭脳バトルだが・・
★★★☆☆2008-11-13
湯川博士自身が、好敵手として認める天才数学者はあらゆる点でこれまでの犯人像とはレベルの高さにおいて一線を画する。謎解きに至るストーリー展開の緻密さや緊迫感を通じておなじみ東野圭吾の真骨頂が存分に堪能できる。しかしながら長編になったことによりシリーズに物語の深みが加わった反面、これまでの短編にあった軽妙な部分の魅力が薄れてしまったように感じる。

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