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世界秩序の崩壊 「自分さえよければ社会」への警鐘 (ランダムハウス講談社文庫)

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  • メーカー: ランダムハウス講談社
  • JAN/ISBN: 9784270102763
  • 定価: ¥ 903
  • 売上ランキング: 343556 位
  • ★★★☆☆

カスタマーレビュー

「フィールグッド・ソサエティ」の猖獗・跋扈を撃つソロス
★★★☆☆2009-09-12
榊原英資推薦のソロスの本と聞いて、多くの人はどういう印象を持つのだろうか?
民主党が大勝ちした衆院選を経て、まもなく組閣も固まるだろうが、榊原はイザ行かんの意気であろうことは疑い得ない。

本書では、ソロスが提唱している「オープン・ソサエティ」に対立するものとして、「フィールグッド・ソサエティ」なるものが定位されている。この語感からすると、英語の苦手な当方には全然違った意味を取りそうであるが、「自分さえよければ社会」の意だということだ。
最新10月号の月刊『文藝春秋』では、経済学者の浜矩子が「合成の誤謬」につなげて「自分さえ良ければ病」と言っているが(「ユニクロ栄えて国滅ぶ」)、フィールグッドの訳語としてはなかなかに含蓄があると一人ごちた。

ソロス書の中身は、単行本時もそれほど売れなかったことからもわかるように、彼の哲学を開陳しつつ、政治経済のあれこれの危機に言及し、敵を明確にしつつ、自分の来歴を自慢するといういつものスタンスだ。

ブッシュ息子への批判は2006年刊行当時の事情もあり、大いに首肯できるし、「サブプライム」も環境問題も予知していたとするオビの文句は商売としても、ソロスの「よき世界」への希求に嘘はなかろうと思う。ポパー仕込みのスタンスがどうなのかはよくわからんが。
しかし、あまりに高踏的な議論が多くの読者には伝わりにくいのではないだろうか。これは文庫化しても大して読まれんであろう・・・と思う。付録の「最初の枠組」なんて、すごくムツカシイ。なんか騙されているような気がしてならないのだが、ソロス氏には最早そんな動機もなかろう。最早、そう最早ね(?)。

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