海底二万里 (創元SF文庫)

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  • メーカー: 東京創元社
  • JAN/ISBN: 9784488517045
  • 定価: ¥ 945
  • 売上ランキング: 91686 位
  • ★★★★★

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カスタマーレビュー

子供の本ではない
★★★★★2006-09-17
 小学生の頃に読み耽ったものである。

 最近読み返して見ると この本は小学生には難しい事が良くわかった。確かに潜水艦で世界の海を渡り歩くという話は 小学生にも十分面白いのだが それは舞台設定だけの話だ。やはり 本作の主眼はネモ船長の「孤独」にある。それを理解することは 小学生はおろか 20歳代でも難しい話である。

 ネモ船長は地上に絶望して ノーチラス号で海に逃れる。どのような経緯で ネモ船長が絶望に至ったかは分からない。彼は オルガンを弾き 読書家であるという芸術家であり 同時に 何かに憑かれたかのように殺戮を繰り返す暴君でもある。この両義性がネモ船長の性格を複雑にしている。人を殺し それを悔やんでオルガンを弾くという姿は誠に鮮烈なイメージだ。書いてはいないが 曲もバッハしかありえないと今でも思う。

 海底二万里は その後の多くの人に影響を与えた。「潜水艦の中に潜む神」という切り口で 様々な作品が生まれたことはその後の歴史である。その意味で 海底二万里の価値は大きい。


 小学生で「卒業」出来る本ではない。是非 再読をお勧めする。
普通の空想科学小説ではありません。
★★★★★2006-01-16
普通の空想科学小説ではありません。

世界の海底を探険しながら海の生き物の事や海流のことがよく理解できます。

私が好きなシーンは南極で氷に閉じ込められて身動きがとれなくなった
ノーチラス号がネモ船長の知恵で氷の牢屋から脱出するところです。
大王イカの襲来よりも手に汗にぎるシーンです。
読んでて落ち着かなくなりました。

ダイビングやサーフィン、カヤックなどのマリンスポーツが好きな人と
ディズニーシーの七つのポートの中でミステリアスアイランドが好きな人は必読の本です。
海洋サーガの傑作
★★★★★2003-12-06
この物語は、1867年という設定である。つまり明治元年。おもしろい偶然の一致だ。同じく潜水艦の物語に、ブーフハイムの「Uボート」がある。第2次大戦中のドイツ海軍の潜水艦Uボートに実際に乗り組んだ士官が、その体験を交えて描いたフィクションだ。それを読むと、潜水艦生活は、「海底2万里」ほど楽ではなく、上品ではなく、優雅でもないことがわかる。最新の原潜でも、ノーチラス号の優雅さはない。海洋サーガの先駆として有名な「白鯨」は、モービー・ディックはともかくとして、捕鯨船上の生活はメルヴィルの実体験らしい。「海底2万里」の時代に近い航海の潮臭い実相を伝えてくれる。海の物語で感じるのは、その時間の長さである。Uボートは出撃すれば2ヶ月ぐらい、捕鯨船は3年ぐらい寄港しない。単調な生活をじっとこらえて、チャンスを待つ。読むほうにとっても、文庫でも上下2巻は、しんどいことである。その点、「海底2万里」のノーチラス号は、非常に高速で、どんなに深いところにも(まさにオウム貝のように)到達でき、見たいもの、得たいものをすぐに手に入れる。このスピードのある展開が爽快で、何度読んでもワクワクさせられる。そういう構成との兼ね合いで、物語の各部分は独立している。だから、内容を知ってしまっている人でも、好きなところを読み返して、楽しめる。メインテーマが海洋の光景、次が潜水艦の驚異。とかく人間同士の関係だけに埋没しがちな日常にあって、「海底2万里」での自然への開かれた眼差しは、とても新鮮だ。人間は物語の必要に従って登場しているに過ぎない。とはいえ、ネッド・ランドとコンセイユのコミカルなやりとりには吹き出してしまう。こういうご時世になってくると、ネモ船長は一種のテロリストではないか、とも思えてくる。しかし、19世紀の当時にたちかえってみれば、マルクスの資本論が世に出たのが、まさに本書と同じ1867年であり、ヨーロッパ世界は社会の根底から激動期を迎えていたわけである。社会全体にわだかまる不安などが、ネモ船長の人物造形に反映したともいえないだろうか。
19世紀の最先端技術がここに!
★★★★★2002-06-01
 読んでストーリーが面白く、読み直してまた新しい感動があり、
よくよく調べると驚いてしまうような物語が好きなんですが、
この海底二万里もそんな私のお気に入りの一つです。 ノーチラス号の動力源としてガルバーニ電池というのが出てくるの
ですが、これはジュールベルヌの勝手な命名だと思っていました。
ガルバーニは、高校の生物の教科書にも出てくる程有名な動物の
神経伝達の研究者ですが、電池の発明とは関係ないと思っていました。
ところがよくよく調べてみると、ガルバーニは動物の神経伝達には
電気が関係していると予想し、電解質溶液と起電力の関係を深く
研究したため、その研究成果が、後のボルタ電池の発明につながり、
今ボルタ電池と呼ばれているものが、19世紀にはガルバーニ
電池と呼ばれていたことが分かりました。 意外なところから科学史を学ぶことができて、ちょっと感動
してしまったのですが、今では小学生でも読むこの海底二万里
も、出版当時はかなりの知識人達が読むことを想定して書かれた
ようなので、内容的にも当時の最先端技術や世界情勢が盛り込ま
れており、調べれば調べるほどもっと面白いことが見つかりそうです。

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