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結晶世界 (創元SF文庫)

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  • メーカー: 東京創元社
  • JAN/ISBN: 9784488629021
  • 定価: ¥ 651
  • 売上ランキング: 51227 位
  • ★★★★

カスタマーレビュー

遠藤浩輝の『EDEN』のネタ本?
★★★★2009-08-05
1969年に初版が出た古い本。だが、全く古さは感じさせない。
遠藤浩輝の『EDEN』の設定と同じように世界が結晶化していく話。
バラードらしい人間の描き方で、たんなるパニックものではない、哲学的な作品になっている。
凝縮な世界
★★★★★2009-05-08
 SFにまったく興味がなく縁もなかった遠い日、間違って手に取り世界に引き込まれた。バラードの小説は濃密で工芸品のような美しさを持っているが「結晶世界」はもっとも極限に位置すると言っても過言でない小説である。結晶化という世界と癩病の存在が物語の神髄を際だたせている。バラードの小説はどこかメリメを彷彿とさせる巧さがあってそれがテクノロジーと人間の関係を紡ぎ出すことで憧憬と破滅を描き出している。哲学的要素を取り込みつつ美しい物語への階梯へと導いた。五感を触発する文体のどこかしこに凝縮した美しさの原石を発見できる。バラードがこの世を旅立ったことでさらに強く感じる。残された作品群がくまなく世に羽ばたき至る所に幾何学的で崇高な存在を広め永遠と儚さを感じることを願っている。
ご冥福を祈ります。
★★★★★2009-04-24
世界が結晶化する・・・なんてあまりにも美しい世界の終わり方です。
ジャングルの奥からどんどんと広がるキラキラとした結晶化した森。
イメージを喚起させるテキストです。
「ニューウェーブSFと呼べるのは、バラード氏の作品だけの作品」と誰かの書評(あるいはあとがき?)で読んだ覚えがありますが、まさにそのとおり。

暴力にあふれた「ハイライズ」
あまりにも美しすぎる「バーミリオンサンズ」
車フェチいや事故フェチな「クラッシュ」
ラリラリな「夢幻会社」
隠れた傑作「奇跡の大河」
などなど。

闘病生活の末になくなられたバラード氏の冥福をお祈ります。


描写の美しさ
★★★★2008-07-04

ハンセン病も重要なテーマになっている作品です。ただ、私くらいの世代では今ひとつ現実感を伴わないテーマとも言えます。
そのため、登場人物に対して思い入れはちょっと難しい面がありました。

ですが、それを補って余りある「世界が結晶化していく」という事象の描写の美しさが魅力的です。
これはバラード氏の作品に共通して言えることかと思うのですが、確実に滅びに向かって行く世界という状況が、単純に悲劇的なだけにならないこと。中でもこの結晶世界はその色が濃いと思います。
生と死の同化
★★★★★2008-02-16
世界が結晶化する重いストーリです。生の側から見て「死」である結晶化と、死(?)から見た「生」である結晶化が、人間模様を絡ませて対峙されられながら話が展開していきます。

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