シカゴ育ち (白水Uブックス―海外小説の誘惑 (143))

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  • メーカー: 白水社
  • JAN/ISBN: 9784560071434
  • 定価: ¥ 998
  • 売上ランキング: 77285 位
  • ★★★★

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カスタマーレビュー

はっとする美しさ
★★★★★2007-12-14
生活の些細な場面を大変に美しく、印象的に切り取る様が実に素晴らしい。

話としては「荒廃地域」が一番面白く感じたが、それぞれを物語として読むよりは、はっとする美しさを各所で味わうために読むべきと本と感じた。
美しい雑音
★★★★★2007-10-02
夕方、一人で大学の帰り道を歩いていたら、
民家からピアノの音が聞こえてきた。
耳を澄ませば、音符が蝶のように飛んでいる。

隙間から割り込んでくる雑音は美しい音楽だった。
育った場所は、完璧な荒廃地域で、
そこで生まれるということは、それだけで、
それらの束縛からは逃れられないのだ、と、思う。
そんな小説群でした。
空気を感じる小説
★★★★★2007-03-07
すばらしい作品達でした。全体的にトーンは暗いものがあると思いますが、
それが作品に空気感のようなものを与えています。
目を閉じれば、まぶたにシカゴの街が浮かび、人の息遣いさえも肌に覚えるような気分です。
しかしそれでいて、けして描写に偏った安直さはありません。
彼の文章は時に酷く現実的で、時に悪夢のように抽象性を帯び、ひとところに収まってはいません。それが、不思議な酩酊感を読者に与えます。
良い点を挙げればきりがありませんが、久しぶりに小説らしい小説を読ませていただきました。

柴田氏の翻訳も相変わらず流石ですが、一部気になるところもありました。英語と日本語の性質上、仕方のないことかもしれませんが、一つの単語につく修飾語が非常に長い部分があります。読みにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
もっとも、私は原著を読んでいません。もしかしたら、ダイベックもわざと長ったらしく書いていて、柴田氏がそのままの雰囲気で訳したのかも。というか、柴田氏ならその可能性は高いかもしれませんね(笑

ささいなことはすべてさておき、良い作品でした。星五つです。
風の街を通り抜ける人生たち
★★★★★2007-02-07
「僕らが住んでいたシカゴでは、ヨーロッパじゅうの、相容れないいくつもの国家が、
 雑音の多いダイアルの右端のあたりに一緒くたに詰め込まれていた。」(本文より)

シカゴは移民の多い町だ。
いろんな人生がやってきては、去っていく。
ずっと同じものがないからこそ、「一瞬」が大切にされるのだろうか。

どんな単調な日々でも、ふと、きらりと光る一瞬がある。
この作品は、そんな瞬間をひょいとすくいあげて、短い文に凝縮している。

モノクロ写真の一カ所にとっておきの美しい色をのせたような、そんな短い物語たちがたくさんつまっている。
作者自身も「シカゴ育ち」。地元民ならではの視線と愛着が好ましい。
文句なしにおすすめの一品。
良かった!
★★★★★2006-05-08
シカゴの街に住む様々な人たちの日常を淡々と、どこか暖かい感じすらする目線で描いてます。小説って著者が主張を強調するあまりに、いかにも作られた物語という感じを受けてしまうのですが、この短編集に関してはそんな事を気にすることなく物語に入っていけました。
それぐらいに自然な日常を描いているのだけど、それは確かに人生の一部なのだと感じるものでした。
それらはほとんどの場合悲しいことだったりするのだけれど、悲劇的にならずまた淡々と生活を続けていく姿は静かな感動を呼びます。
心がもやもやと曇り状態が続いてるのだけど、その原因がよく分からない人にオススメです。完璧な晴れ間が見えるわけではないけど、心に確かに残る一冊でした。

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