カミュが“シーシュポスの神話”の中で、“城”とともに高く評価しているのがこの小説です。とても読みやすく、毎日少しずつ読んでも一週間ほどで読み終わることができます。この小説は未完に終わったとされていますが、読んでみると内容は完結しています(同じく未完に終わったとされているカラマーゾフの兄弟のようなものと思ってよいです)。小説の中に挿話的に入っている”Before the Law”だけでも読む価値が充分です。一つ難を申せば、この新書版の訳者の解説には小説の結末がすべて書かれており、読まれる前にこの解説を読むと興味が削がれる可能性があります。一週間ほどで読み終えることができる小説なので、解説は読後に読まれることをお勧めします。