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ちなつのハワイ

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  • メーカー: 教育画劇
  • JAN/ISBN: 9784774606330
  • 定価: ¥ 1,365
  • 売上ランキング: 696134 位
  • ★★★★★

カスタマーレビュー

夏休みの出来事。その3
★★★★★2004-10-29
大島さんの夏休みの本、3冊目として読みました。
ぎくしゃくした家族が、優しさを取り戻していく物語です。魂になって飛んできたおばあちゃんとちなつの会話、息の合ったやりとりが、時に涙を誘い、時にこちらまで幸せな気分にさせてくれる物語でした。
せっかくハワイに旅行に来たというのに、パパとママは、旅行前からの険悪な雰囲気を引きずったまま。険悪でつんけんして、最悪の雰囲気。読み進むうちに、仕事一筋のパパに、どうやらママがキレたらしいというのがわかってきます。しかし、パパもママも自分なりの家族、家庭の在り方というものを持っていて、二人が各、理想とする家族像の違いがぶつかりあった結果の喧嘩だったのです。
そこへ現れたのが、ちなつにしか見えない、おばあちゃんの魂でした。元芸者だったというおばあちゃんの、ちゃきちゃきっとした物の言い方が、すごくいいのです。ちなつに、時間がないと言いながら、大切なことを教え、家族が家族でいられるように、適切なアドバイスをするおばあちゃん。ちなつ一家を心配して、魂になって飛んできたおばあちゃんの命の残り時間は少ないのです。ハワイの風のなかで、甘い花の匂いのなかで、満天の星の下で、兄ヨウジもパパもママも、それぞれの方法で、一度気持ちをさらけ出して、自分に正直になることができたのでした。お互いに、言葉を交わすことで家族の中にあったわだかまりが、少しずつほぐれていきました。
おばあちゃんが残して行った、「マハロ」(ありがとう)の言葉に満たされながら、ちなつは、永遠の別れも感じなければならなかったのです。夢の中で不思議な女の人が、ちなつの全てを理解し、受け止めてくれる、その会話がとても美しく、愛にあふれたシーンでした。子供というものの力を改めて考えさせてくれた物語でした。大島さんの夏休みの本のなかでは、いちばん好き。