30年間お茶の間の人気者として君臨してきたミュージシャンなんていない。しかも、幅広い年代から支持され、熱狂的追っかけおたくファンから10年に一度のなんちゃってファンに至る自称「サザンファン」の要望に応えてきたなんて! どれだけストレス溜まったんでしょうね、想像すらできない。サザンの皆さん、心置きなくゆっくり休養してください。
「I AM YOUR SINGER」は感謝の歌詞の裏側で、デジタル音の効果により「人格がないSINGER」を、操り人形の悲しみをちょっとだけ自虐的に歌っているのかなあ。
昔からのサザンファンは知っているんです。過去の休養明けのサザンは、「チャコの海岸物語」や「みんなのうた」など、期待以上のインパクトでファンを楽しませてくれることを。
でもそろそろいいじゃないですか。彼らの好きなロックやブルースを産業ロック抜きで自分勝手にやったって、ねえ・・・。
『I am your singer』。
このタイトルには何の違和感も感じません。
たとえば最近多い、歌唱力や作曲力がそれほどでもなく、レコード会社の宣伝力やルックス・話題性によって売れているアーティストがこのタイトルで曲を出したら何となく違和感を感じる気がします。どことなく図々しいような、媚びを売っているような。でもサザンの『I am your singer』はサザンの熱狂的なファンでなくとも、なんとなく納得なのではないでしょうか。理由は明確ではありません。30年もの間、多くの人の思い出として強く心に残るような曲を出し続けてくれたからでしょうか。でも非常に強く”なんとなく”そう感じます。だからファンへの感謝いっぱいの歌詞もすんなり入ってきますし、メロディも優しい感じがします。
どうかこの曲が最後の曲になりませんように。でも逆にこの曲が最後ならそれも納得できます。厚かましくもそう思わせてくれる曲です。
サザン、ありがとう。