神沢記者の死。告別式で佐山相手にワイルダーの「地獄の英雄(ACE IN THE HOLE)」について話し出す悠木。「その(映画の田舎町の)初老の編集長が、いいんだよなあ」と感に堪えないような物言い。仲間の死の直後に映画の話?映画の引用のために遺品としてスペードのエースを用意したの?それって滅茶苦茶不謹慎では?
私が佐山なら速攻で悠木の胸ぐらをつかむ。「いいんだよなぁ、じゃねえだろう。あんたが山に行かせた男が死んだんだ。なにがチェック、ダブルチェックだ。たった2度、事実を確認しただけで真実がつかめるか、このアメリカバカ」と言う。作り手は好きな映画を語りたかっただけなのだろうが、あまりにも無神経な主人公の台詞で、この瞬間、映画は完全に死ぬ。ありえないものの連続で、私は心の中でタオルを投げる。