ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]

  • ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]の画像
  • メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • JAN/ISBN: 4988135712127
  • 定価: ¥ 3,980
  • 発売日: 2009-02-11
  • 売上ランキング: 1690 位
  • ★★★★

この商品を買った人はこんな商品も買っています


カスタマーレビュー

生きる事
★★★★★2009-06-17
物語は単純で自殺したい男とお伽噺を聞いてる内にその男に恋してしまう少女の心のお話。

お伽噺は子供の興味を引く為の設定の為、内容自体はなんの捻りもなく作り話っぽく進んでいきます。
ただ絶妙なのはそのお伽噺は男が想像して作っているので現実と妙に絡み合い、最終的には男自身が生きる勇気を、生きる為に必要な事を得る為の少女との語り合い、心との闘いへと変わって行きます。
お伽噺としてはスッキリしない地味な結末を迎えますが、心の表現として見ればなるほどそうだよねって納得させられてしまい爽やかな気分になり、自分までも頑張って生きようと思える所が素晴らしいです。
少女の表現も、恋人=彼では無く恋人=パパだったり、可愛い嘘ついたり、彼と別れた後切ない恋心を引きずる訳でなく楽しい思い出として彼を見られたり等々、とても子供らしいモノが映し出されています。

映画って派手なドンパチでも無く以外な展開でもなくあり得ない事をリアルっぽく見せるのでもなく
映像の美しさ、生きる事の美しさ、心の美しさ、単純に面白いと思える事を感じる為にある物なんですね。

改めて映画って良いなって思わせてくれました。
ただ、予告を見て
お伽噺にド派手で手に汗にぎるラスト、映画自体に心が熱くなるような感動的なもの凄い終焉を期待すると裏切られます。
地味でありながらしっかり物語本編の伝えたい事を伝えているラストが自分はとても好きです。
優しいですね
★★★★2009-06-12
空間に拡がりが感じられ、悪く言えば色紙を張り合わせても作れる様な厚みの無い無機質な造形と異彩なキャラクター達がその空間に蠢く原色の図は不思議と調和して心地よい。コマーシャル映像の様なインパクトと巧みさもある。冒頭とラストの映像は統一感が無い気もするが、セピア色の所と象が泳ぐ所やモノクロの擬似無声映画の様な映像が気合が入っていると感じた。失意の底に落ちた男が少女との触れ合いで再生するという話。世の中、失敗は付き物であり、それに耐えられない人も多くいる。そういう人達の事を思って監督は作ったのじゃないでしょうか。「ザ・セル」でも非社会的な事をしてしまった男を凶弾するので無く、救済する様な作品でした。罪を憎んで人を憎まず。弱さと言っても主人公は障壁にぶち当たって心が弱くなっている男であり、最初から逃げている臆病な弱さとは別物である。人は心に自信と余裕という鎧をまとっているのであり、その鎧の厚さ、種類、特性、耐性は生まれや環境や経験や様々な事によって千差万別。何らかの障害でその鎧が引き剥がされると人は誰でも弱い。自力か他力かはそれぞれだが一生鎧を深くまとい気付きもしない人もいれば、硝子の薄衣をまとっている人もいるし、鎧の強さを試そうともしない臆病者もいる。本作の主人公も妄想の世界の中で自分本位な恨みと自己消滅の願望を出し隠ししながら進んでいくが、少女の無垢な愛がきっかけとなり、恨みを具現させたキャラクターを消して行き、落ちる事と足を良い方に踏み出す事は同じだと考える。ただの置き換えですけど、これも一つのきっかけ。相手の女や恋敵のせいだけにせずに、自己を見つめる方に向かって欲しかったが、自身の職業に打ち込んでいく姿が描かれるラストは徐々に自分のやり方で自身を磨いていっている様にも見える。
石岡瑛子の衣装
★★★★2009-05-24
石岡瑛子さんの衣装が実に素晴らしい。
背景との組み合わせも良く芸術作品のようだった。
ストーリーは確かにもうひとつな感じではあったが、
価値ある作品です。
陰鬱な世界が記憶を支配する。
★★★★2009-05-23
 アレクサンドリアは、働いている果樹園で、木から落ちて左腕を骨折してしまった。
 五歳という年齢だけれども、そこらへんの子供よりは大人びている。それは、中盤に於ける、母と医者との会話からも読み取ることができる。母との通訳に於いて、余計な部分を端折って医者に説明するのである。この仔なりの処世術なのだろう。
 ロイはスタントマンで、あるとき足に大怪我を負い、入院していた。彼はスタントマンとして活躍できないおのれに絶望して、何度も自殺未遂を試みていた。アレクサンドリアとは違い、こちらは大人なのに、まるで子供のようだ。
 あるとき、アレクサンドリアが落とした手紙をロイが拾った。ロイは自殺するため、アレクサンドリアに取り入ろうとする。自分が創り上げた叙事詩を話して、彼女にモルヒネを取ってこさせようとしたのである。
 アレクサンドリアの要望によって、時折書き換えられる世界観。アレクサンドリアの茶々がはいったり、ロイが薬欲しさに話を打ち切ったり。
 空想の世界と現実の世界とがないまぜになり、話が進むにつれて現実の世界も進展してゆく。
 広大な背景には、目を奪われる。どれもがCGを駆使せず、本物の場所で撮影されたという。

 終盤、ある人間が言う。「たったこれだけ?」。心底、腹が立った。この人間が言う『これだけ』のシーンを撮るために、大勢の人間が関わり、作品が完成されたのである。
 昔のスタントマンは、本当に【死と隣り合わせ】だった。CGだって発達していない。生身で、衝突する車からよけたり転げ回ったり。
 それを差し置いて、「これだけ?」。彼はなにもわかっていないのだろう。【華々しく活躍すること】が当たり前だと思っているのだから。

 ラスト。
 これは【叙事詩】である。創り上げられた。たいていの【叙事詩】は、あっさりとした口調で終わる。そしてまた、アレクサンドリアがロイに送る賛辞のために在ったのである。
映像美だけではない−意外に骨太の秀作
★★★★★2009-05-06
(ネタバレ)
スタントの事故で重傷を負い、恋人を主演俳優に奪われたロイ。
彼の再生がこの映画の主題になっています。

作り話のクライマックス。自棄になり登場人物を次々殺してしまうロ
イ。結局アレクサンドリアの「殺さないで」の叫びに、その場では絶
望の淵に身を投げることをギリギリ思いとどまったものの自分の人
生に希望は取り戻せませんでした。

注目は、病院での試写会。自分が事故に遭ったシーンが近づくとロ
イの表情は苦痛に曇りますが、編集で事故があっけなくカットされて
いるのに逆の衝撃を受けます。自分のあの事故は何だったのか!

しかし次の瞬間、映画に夢中になる観客の表情に彼は悟るのです。
この笑顔のために自分は身体を張ったのだと。

終盤、たった一瞬観客を驚かせ喜ばせるために、命がけで映画を撮
った先人たちが残した数々のシーンが流れます。ロイはその撮影の
過程で、怪我をし命を落とした人々の化身でもあるのです。そのロイ
を再生させることで、監督は映画の先人たちへの深い思いを表現し
ています。

そして最後のアレクサンドリアの台詞が、この映画賛歌に余韻を添え
るのです。「すべての映画にロイがいた」

強烈な色彩と絶妙のカメラワークが延々と紡ぎ出す鮮やか過ぎる映
像に圧倒されて、ストーリーが霞んでしまいそうですが、テーマは明
解で、かつそれが映画人にとって絵空事ではないので、意外に骨太
な作品に仕上がっています。

同じテーマの商品を探す