<FLIGHT 666>ジャンボ機の機長はブルース。全ての機材・クルー・メンバーが一緒に移動し、今まで訪れることの不可能だった地域をも廻る壮大かつ、過酷なツアーを追ったドキュメントである。その名も「SOMEWHERE BACK IN TIME WORLD TOUR」
これまでバンドのヒストリーを描いたフィルムはあったが、バンドの”今”を描いたドキュメント映像作品は初めて(間違っていたらごめんなさい!!)である。よって、バンドの良い部分だけを今まで見ていたようで、今回の映像で色んな意味で新鮮・ショックでもあった。
ニコのスティックを握りながら号泣するファン。赤道を南下すればするほど熱狂さが増すファン。インドでの木造のステージ、及び終演後にビールが5本しかないとぼやくブルース。腹痛・時差ボケで苦しむ一行。見所は満載だ。しかしながら、冷静に見ていると日本の現状の寂しさが見えてくるのは否めない。各国の熱狂度に比べて設備は最高かもしれないが日本は狭い会場、また若いファン層がどうも生まれて来てないように思えてならない。様々なアーティストがいつでも来日して見られる日本。仕事を辞めてまで、国境を越えてまで、軍隊と一触即発になりそうになってまでコンサートに来る映像を見ているとあまりにも日本の現状はぬるい故に、ショックを受けるであろう。どう考えても80年代の最初の絶頂期に生まれていないであろうファンの多さと熱狂度は凄い。狂気すら感じる。それだけファンは生まれ続け、(コンサートの少なさもあると思うが)バンドに対するリスペクトの凄さは圧巻である。もちろん曲の良さとライブの凄さが肝心なのは言うまでもないし、それが維持・継続されている証拠がここにあるわけである。
よってこのドキュメンタリーはバンドの生の姿を見られる素晴らしい作品であると同時に、日本におけるメイデンのファン層の位置の危うさをも感じてしまった。これでいいのかと感慨無量である。